ハッピーエンドが来ようとも
私の長い旅は続く。
雑貨は面白い。
ボトルも懐中時計も
いくつあってもいい。
たまたま寄ったその店は
雑貨っぽい雑貨で
世界を透かして見てみるには
丁度いい品物ばかり。
店員さんはフクロウに似ていた。
隅にはカフェのようなところもあり、
居心地が良かった。
無口だけど気の合う店員さん。
私の旅の手助けを
少しだけしてくれた。
役に立つ雑貨を用意してくれたんだ。
それから長い間歩いた。
港に着いた時は
船に乗ろうか迷った。
私はやっぱりこう、
わちゃわちゃとした空間が苦手だ。
船に乗るってことは
わちゃわちゃとしてるということ。
10分ほど迷っていたら、
タクシーの船版っていうのかな。
適当に行き着いた先で下ろしますみたいな。
好きにしていいよっていう
自由でありつつ、
賑やかさはあって
でも落ち着いた雰囲気の船が来た。
私はすぐに乗り込んで
操縦している人に
どこの港がいいか聞いてみたりした。
"Good Midnight!"
こうほのぼのと
のんびりと旅をすることは
私が生きていると実感するため。
実感するためなら
何処へでもこの足を動かして
歩いていくよ。
モノクロの世界に色が付いて
毎日が鮮やかになった。
ってそんな一瞬で
色なんか付くわけなくて、
誰とも出会わないから
そんな感覚ってのがわからなくて、
私の世界はモノクロのままだった。
ずっと、ずっと。
太陽は白くて眩しい。
夜は黒くてとびきり暗い。
意外と色って無くても
世界は綺麗に見えるし、
全然不便じゃない。
でもちょっとは
色付くってものを見てみたい。
いつかの記憶の中では
鮮やかな色が世界にあった。
いつからか、
モノクロの世界に閉じ込められて
出れなくなった。
人は懐かしいと思うものを
どうしても求めてしまうようで。
色んな手段を使って色を取り戻そうとした。
"Good Midnight!"
青くて、緑っぽい。
涙は溢れて止まらない。
私の欲しかった色って、
懐かしいあの色って、
こんなに苦しかったっけ。
悔やむ気持ちは
誰しも経験したことがあるはずです。
やりきれず悲しい感情、
どうにかしたいとは思いませんか。
一日の終わりである夜中
ああしたらよかったなぁ、
こうしたら、こう言えたら。
そんな反省会がある人もいれば
もっとずっと
過去のことを悔やむ人もいます。
しかし過去や未来を変えるのは
現在しか無い。
後悔を生かし変えるということが出来たら
こんなに夜中に頭を抱えるほど
悔しがらないと
私のようなの方もいらっしゃると思います。
ここらへんで
気持ちをどうにかしていきたいですね。
時に漫画を読んでいる時、
スマホを見ている時など
時間が早く進んでいる気がしますよね。
そして何かしている間は
その事しか考えられなくなる。
一部の人だけかもしれませんが、
心惹かれる映画を見ている時のような感じです。
後悔することは悪いことではありません。
しかし、
後悔しながら何かをする事は難しい。
"Good Midnight!"
では現在は目の前のことを
一生懸命にやってみてはどうでしょう。
時間は有限です。
結局後悔する時間が無駄、みたいな話に
なってきてしまいましたが、
永遠なんて、ないけれど
後悔する時間ほど、永遠に近い。
そういうことです。
何でそこまで泣くの?
よく言われる言葉。
私は泣いてるところを
人に見られたくないタイプの人だ。
だからよく我慢をする。
本当は涙脆いのに
鋼のメンタルなんて言われたこともある。
我慢の連続。
それはストレスと一緒に積み重なる。
そして爆発する。
人前でも1人の時でも構わず
声を押し殺しつつ大泣きする。
そこまで泣くこと無い小さな事でも
爆発のきっかけになれば
こうなってしまう。
涙の理由は我慢の限界。
ただそれだけなのだ。
泣いたあとはとびきり眠たくなる。
すぐ寝た方が私のため。
爆発した日は早めに寝るか、
好きなことを好きなだけする。
"Good Midnight!"
その日だけ
私は私に優しくできる。
全ては優雅で美しい復讐のため。
風が強くて
髪の毛が鬱陶しい日だった。
なんとなく手に取った新聞。
ある小説家が行方不明になった記事、
その小説家は私のお気に入りの本を
書いた人だった。
私は好きなものには
全力を尽くすタイプだ。
まだあの小説家が書く本を
読んでいたい。
そう思ったらすぐ行動した。
何人もの探偵に弟子入りしては
警察が調べた情報を掴み、
ある程度の位置を割り出した。
事前に習っておいた合気道は
ここで役に立った。
小説家は衰弱していて
今すぐ病院に行き、
点滴を打った方がいい感じだった。
なぜ小説家を攫ったのか、
なぜ小説を書かせるために
攫ったのではないのか。
気になることは山積みだったけど
とりあえず警察に任せた。
しばらくしたら
また本が読めると思っていた。
でも小説家は病院から逃げ出した。
私を黒幕だと書いたメモを残して。
意味がわからなかった。
これが自分を助けた命の恩人にすることなのか。
恩を仇で返すのか。
怒りや憎しみは一瞬にして爆発、
あんたの為に付けた力を
あんたへの復讐で
使ってやろうじゃないかと思った。
復讐は優雅で美しくあるべきだ。
軽やかに宙を舞う蝶々のように動き
シャチホコのような強い力、
猫のような俊敏さで
私は小説家をボコボコに…。
コホン。
沢山痛めつけた。
まだまだ疑問は湧くばかりで
解消されないけれど
私はこう自由に生きたいと思った。
"Good Midnight!"
次は私に濡れ衣を着せろと小説家に命じた、
真の黒幕退治。
私は優雅で美しい復讐をしてあげようと思った。
コーヒーが冷めないうちに。