るに

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全ては優雅で美しい復讐のため。
風が強くて
髪の毛が鬱陶しい日だった。
なんとなく手に取った新聞。
ある小説家が行方不明になった記事、
その小説家は私のお気に入りの本を
書いた人だった。
私は好きなものには
全力を尽くすタイプだ。
まだあの小説家が書く本を
読んでいたい。
そう思ったらすぐ行動した。
何人もの探偵に弟子入りしては
警察が調べた情報を掴み、
ある程度の位置を割り出した。
事前に習っておいた合気道は
ここで役に立った。
小説家は衰弱していて
今すぐ病院に行き、
点滴を打った方がいい感じだった。
なぜ小説家を攫ったのか、
なぜ小説を書かせるために
攫ったのではないのか。
気になることは山積みだったけど
とりあえず警察に任せた。
しばらくしたら
また本が読めると思っていた。
でも小説家は病院から逃げ出した。
私を黒幕だと書いたメモを残して。
意味がわからなかった。
これが自分を助けた命の恩人にすることなのか。
恩を仇で返すのか。
怒りや憎しみは一瞬にして爆発、
あんたの為に付けた力を
あんたへの復讐で
使ってやろうじゃないかと思った。
復讐は優雅で美しくあるべきだ。
軽やかに宙を舞う蝶々のように動き
シャチホコのような強い力、
猫のような俊敏さで
私は小説家をボコボコに…。
コホン。
沢山痛めつけた。
まだまだ疑問は湧くばかりで
解消されないけれど
私はこう自由に生きたいと思った。
"Good Midnight!"
次は私に濡れ衣を着せろと小説家に命じた、
真の黒幕退治。
私は優雅で美しい復讐をしてあげようと思った。
コーヒーが冷めないうちに。

9/26/2025, 2:04:33 PM