るに

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8/12/2025, 6:06:13 PM

暑かったから
家を飛び出して
山の途中にある公園のベンチで
座ってた。
そしたら急に
ポンデリングヘアの人が現れて
私にツナマヨのおにぎりを渡して
隣に座ってきた。
夏って暑いですよね。
その人は
びっくりするぐらい普通に話しかけてきた。
日中も夕方もこう暑いと、
人って自然と夜更かししたくなるんですかね。
最近「夜の鳥」をご利用くださる
お客様が増えてるんです。
突然始まる相談事のような話。
はぁ。
「夜の鳥」は行き先が気まぐれの
迷子列車のことだろう。
初回のお客様には
枕をプレゼントしてるんですが、
その枕が大好評で、
特に硬さが最高の夜更かし枕が
一番の人気なんです。
自慢話だったか…?
はぁ。
でも枕はこちらで作ってるものでして、
人手が足りなくなってきてるんですよ。
そこで、です。
あなた、最近眠れないですよね?
夜更かししようと思ってないのに
布団に入って目を閉じても
2、3時間と起きてしまっていますよね。
その時間、
良ければ枕作りに使いませんか?
求人募集の話だったか。
はぁ。
でもほんとに当たってる。
夜眠れない。
最初は目を瞑る間頑張って耐えた。
けどだんだん怖くなってきた。
眠れない、夢を見るのが怖い、
明日が怖い、布団が怖い。
焦りと恐怖で
毎日生きた心地がしなかった。
丁度いい。
ここじゃないどこかへ
一瞬でも行けるチャンス。
やります、枕作り。
言い終わった直後、
ポンデリングヘアの人の服装は
列車の運転手の制服になっていた。
そして木々しか無かったはずの目の前には
迷子列車、「夜の鳥」が止まっていた。
"Good Midnight!"
導かれて列車に乗り
ここじゃないどこかへ行って
初回のお客様へのプレゼントを
たくさん作った。
そんな真夏の記憶。

8/11/2025, 5:00:41 PM

半分しか食べてない、
暑さで溶けて
こぼれたアイスクリーム。
もうどうでもいい。
今隕石が降ってきてもいいし、
地震が起きても、
宇宙人がここに降りてきても、
全てどうでもいい。
こんなに毎日必死なのに
神様はまだ足りないようで、
私をドン底から
さらに埋めようとしてくる。
何もかも上手くいかなくて
消えてやろうかと思ったりもする。
なんてつまらない人生。
凄くちっぽけなことで
ドン底だとか、
消えたいだとか言葉を並べて、
自分が1番不幸みたいに思って話して、
こんなことしたら
あとからまた辛くなるのに。
"Good Midnight!"
詰めの甘さがカンストしてて
注意しててもどうにもならない私へ。

8/10/2025, 6:18:27 PM

やさしさなんて
中途半端で苦しくなるだけ。
ほっといて欲しい時に
やさしさを向けられると
酷く当っちゃって
傷つけちゃって
こっちも傷つく。
でもやさしさが無いと
人は寄ってこないし、
助けてもくれない。
扱いが難しくて、
でも使いこなせると
みんなから慕われて助けてもらえる。
"Good Midnight!"
だから私は
助けてもらいたいがために
今日もやさしさを使いこなせるフリをする。
仮面を被ってにこにこ笑顔。
そしたら人が寄ってくる。

8/9/2025, 4:04:52 PM

いいね。
台風を生成できるようになったのか。
人は生まれつき
一つだけ超能力のような、
魔法のような、
異能力を所持していて
念じると
手から、杖から出すことが出来る。
私は風を操るものだった。
物を力要らずして運べるので
中々便利で愛用していた。
けどそのせいで、
ダラダラと過ごしていたので
宝の持ち腐れだと両親に
師匠を紹介された。
師匠は平凡な人で
とても強い能力、魔法持ちや
優れた使い方ができる人だと思わなかった。
師匠より優秀な人は数え切れないほど
この世にいると思っていた。
旅を共にする前までは。
本来は
手からか、杖からか、
どちらかからしか
能力、魔法を出せない。
しかし師匠は手からも
杖からも出していた。
それだけではない。
一つだけしか持っていないはずの
能力、魔法をいくつも持っているのだ。
それはもう片手で数え切れない、
足の指を足しても何倍も足りないほど。
そしてその能力、魔法一つ一つの使い方は
とても熟練されていて
無駄がなかった。
私は師匠のようになりたいと思った。
風の使い方は無限大、
師匠も風を操れたので
何度も訓練をして
何度も鍛錬をして
師匠を目指した。
雨を降らせることは出来なくとも
台風を作れば
雨も付いてくる。
そうやって私なりに工夫していた。
"Good Midnight!"
師匠の足元に及ぶことはなかったけど
師匠は自慢の弟子だと言い、
私の柔らかい台風を眺め
風を感じて
ただゆっくりと
瞬きをしていた。

8/8/2025, 4:52:06 PM

夢じゃない、
夢じゃない夢じゃない夢じゃない、
これは夢じゃない!
真っ赤に染る手、
転げ落ちているナイフ、
誰かも分からないズタズタの人。
血の海の真ん中、
何故か私はそこにいて
誰かをズタズタにしていて
その時のことを全く覚えていなかった。
ひとつ確かなのは、
夢であって欲しいこれが
夢じゃないってこと。
どうしよう、
警察とか来るのかな。
救急車呼んだ方がいい…?
なんかこれ、
もう既に助かってない感じするけど。
誰か通報してるかな。
えっ、自首した方がいいかな?
うーん、
とりあえず手洗お。
頭は沢山のことでグルグルしてるのに
どこか妙に冷静で
洗面台で手を洗った。
服も返り血を浴びていたので
洗濯機を借り、
シャワーを浴びる。
身体を洗っている時、
あ、どうしよう。と
急に焦ってきた。
でも殺った記憶が無いし
もしかしたら別の人が…。
なんてことは絶対に有り得なくて
私はほぼ詰みだった。
スマホで110当番、
私は潔く自首した。
けど、待っても待っても
警察は来なかったし
救急車も見当たらなかった。
辺りはやけに静かで
ものすごい恐怖をここで感じた。
そして今更、夢説が再浮上した。
"Good Midnight!"
起きたら泣いていた。
そんなことはごく稀だろう。
今までのどんな夢より
夢でよかったと思った。

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