るに

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台風を生成できるようになったのか。
人は生まれつき
一つだけ超能力のような、
魔法のような、
異能力を所持していて
念じると
手から、杖から出すことが出来る。
私は風を操るものだった。
物を力要らずして運べるので
中々便利で愛用していた。
けどそのせいで、
ダラダラと過ごしていたので
宝の持ち腐れだと両親に
師匠を紹介された。
師匠は平凡な人で
とても強い能力、魔法持ちや
優れた使い方ができる人だと思わなかった。
師匠より優秀な人は数え切れないほど
この世にいると思っていた。
旅を共にする前までは。
本来は
手からか、杖からか、
どちらかからしか
能力、魔法を出せない。
しかし師匠は手からも
杖からも出していた。
それだけではない。
一つだけしか持っていないはずの
能力、魔法をいくつも持っているのだ。
それはもう片手で数え切れない、
足の指を足しても何倍も足りないほど。
そしてその能力、魔法一つ一つの使い方は
とても熟練されていて
無駄がなかった。
私は師匠のようになりたいと思った。
風の使い方は無限大、
師匠も風を操れたので
何度も訓練をして
何度も鍛錬をして
師匠を目指した。
雨を降らせることは出来なくとも
台風を作れば
雨も付いてくる。
そうやって私なりに工夫していた。
"Good Midnight!"
師匠の足元に及ぶことはなかったけど
師匠は自慢の弟子だと言い、
私の柔らかい台風を眺め
風を感じて
ただゆっくりと
瞬きをしていた。

8/9/2025, 4:04:52 PM