宇宙は宇宙服がないと
生きていられない。
今日は天気がいい。
けど夕方から雨が降るって
天気予報でやってたから、
私は少し早めに歩き出した。
空気は窒素、酸素、二酸化炭素で
できている。
気分がよかったから
風と歌を歌いながら
帰り道を歩く。
シャボン玉飛んだ。
屋根まで飛んだ。
屋根まで飛んで
壊れて消えた。
パスタを湯掻くのは2分で十分。
次の歌詞を忘れて
私はまた最初からループしようか考えた。
考えたけどやめた。
漫画を売れば10円。
だって面白くないから。
もう歌ったのに
また歌うのは全然面白くない。
音よりも光の方が早い。
だから私はもう走って帰った。
水を一気に飲んで体温を下げる。
その頃にはもう雨が降ってた。
水金地火木土天海。
"Good Midnight!"
ぽろっとこぼれた言葉はそう、
天王星って綺麗だよなぁ。
…ジーッ、…ザザッ、こちら202。
ネブラスオオカミの目撃情報があった
三三峠にいます。
ネブラスオオカミがいた軌跡は
特に見当たりませんが、
引き続き様子を見たいと思います。
…プツンッ。
…ザーッ、こちら202。
ネブラスオオカミの足跡を発見。
小柄な体型と見られますが、
少なくとも3mはあるかと思われます。
引き続き様子を見たいと思います。
…プツンッ。
ギーッ、ガガッ、こちら202!
ネブラスオオカミから
少女になった所を目撃しました!
応援を要請します!
繰り返します!
応援を要請しま…プツンッ。
"Good Midnight!"
…ジーッ、ザザッ、こちら203。
ネブラスオオカミの目撃情報があった
三三峠にいます。
ネブラスオオカミがいた軌跡は
特に見当たりませんが、
引き続き様子を見たいと思います。
どうも私は
友達のことを友達と思っていないらしい。
好きになれないし、嫌いになれない。
矛盾だらけで自分に腹が立って来る。
でも法則的なものを見つけた。
都合のいい時だけ好きで
悪い時だけ嫌い。
それ以外は知人。
そんな感じ。
私も相手もこの関係を
友達と呼ぶんだと
認め合っているんだと思ってたら
そうではなかったらしい。
お茶したり、恋バナをしたり、
誕生日プレゼントを贈り合ったり、
他愛もない話ができる仲を
友達と言うんだと。
私は自己中と言うんだと。
そう面と向かって言われた時
なぜか私はムカつかなかった。
その通りだと納得しちゃったから、
私には友達は作れないんだと思って
関わるのを辞めた。
人と話すのは友達への第一歩。
話し方すら忘れかけていた頃
1人の少女に出会った。
白髪の美しい少女。
私の全てを見透かしたように話し始めた。
ボクに友達なんかいないよ。
オオカミは一匹じゃ、寂しいんだ。
好んで一匹になってるわけじゃない。
カッコよくもなんでもない。
だから群れで過ごすんだ。
ボクらは親元を離れて
一匹狼となって寂しかったから
知らないオオカミと共に過ごして
群れとして生活してるんだ。
ねぇ、キミもどう?
キミも一匹だ。
少女の話は
よくわからないけど、何となくわかる。
少女がくるっと回ると
ネブラスオオカミになった。
キミもなろうよ。
"Good Midnight!"
暖かくて自己中心的でもいい
白雲峠にいるボクの群れに。
昨日に取り残されたまま
夜が明けた。
ただ海も川も
映画も見たくて
でも行けなくて
しょぼ過ぎって言われるかもだけど
未練があって私はまだ昨日にいる。
ここは案外悪くない。
朝が来ることがない。
ここでの夜が明けるというのは
夕方になるということで
またすぐ夜が来る。
ループと似ている感じ。
たまに私と同じで
未練があって残された人を見かける。
大抵の人は私よりもしょぼい事で
未練があったってだけで
すぐいなくなった。
私にとっての休日って
いつ出れるかわからない昨日に
取り残されるぐらい
大切なものだったのかなって。
さっさと行きたいところに行って
未練無くせばよかっただろうに
私の足は動かない。
ただ近くに座ったり
そこら辺を眺めるぐらいしか
する気力が湧かなくて。
食欲さえない、
寝て、起きて、ぼーっとして、
それの繰り返し。
"Good Midnight!"
ある日寝て起きたら
天国に居ないかなって
特に何も感じなかったけど
そう思った。
ふとした瞬間
私は宇宙にテレポートする。
そして何故か身体は問題ないし、
呼吸もできる。
そこでは私は無敵だった。
数十分すれは元の場所へと
帰れるのだけど
宇宙で拾ったものも持って帰れる。
元々星が好きだったのもあって
よく塵や小さい隕石を持って帰ったり、
ブラックホールを間近で見たりして
自分なりに宇宙のことをノートに書いた。
たまに家の近くにある雑貨屋さんの
フクロウに似た店員さんに
そのノートを見せたり
そのお店の常連客である
狐に似た人にも見せたりした。
私は自慢じゃないけど
絵を描いたら何を描いたのか
当ててもらえるほどの
ほどほどの画力を持っている。
だから私のこの目で見た宇宙の景色を
ノートに描いた。
まだ誰も見つけてないホワイトホールを
見つけたし、
人間が将来住めそうな星も見つけた。
人類を大きく動かせるくらいの力が
このノートには詰まってた。
でもこれは私が5年くらいかけて
のんびりと集めた情報。
1時間ほどで読み終わってしまい
その知識を取り込まれるのは
なんだか癪に障る。
世界を変えたい訳では無かったので
フクロウに似た店員さんや
狐に似た人には秘密にしてもらった。
私よりも遥かに年上そうな
ザ・大人って感じがする2人は
すぐ察して頷いてくれた。
"Good Midnight!"
今日もテレポートした。
規則性がないのが困るけど
5年くらいで知ったこの宇宙を
数え切れない星たちを
私はまだ大好きだ。