題 : 誰もがみんな
大学への進学を、金銭的負担や学力的問題で諦めた。
周囲の友達は口を揃えて大学へ行くと言う。
「羨ましい。」ずっとそればかり考えていた。
大した夢も目標も無いのに大学へ行くという者や、親に言われたからという者。
仲の良いご近所さんや、バイト先の常連さん等から散々聞かれた「どこの大学に行くの?」。専門学校に行くのだと言うと複雑な表情を向けられる。
"誰もがみんな、大学にいけると思うなよ"
そう思いっきり怒鳴りつけたかった。
題 : 逆光
ふと、美しい彼女に向けてシャッターをきった。
夕暮れの教室。僕の目には、窓際の席に座る彼女が夕日より綺麗に見えた。
「今日は綺麗に撮れたかな」彼女が言った。
確認するも、夕日が逆光となり彼女の顔が見えない。
「夕日を背景で逆光だなんて当たり前だったね」
そう言って笑う彼女の笑顔は、カメラなんかに収まらないくらい美しかった。
題 : 海の底
暗い海の底には何があるのだろう。
小さい頃は、海の底には人魚の家があって大層綺麗な人魚達が住んでいると信じていた。
大学生になった今、そんなことはありえないと分かってしまった。しかし、わかった今でも信じ続けたいという思いがある。
人魚に天使、誰もが夢を見るそれらは、一体どれくらい綺麗なのだろうか。私は今も夢を抱いている。
題 : 寒さが身に染みて
朝、アラームの鬱陶しい音で目を覚ます。冬になるとどうしても起きるのが億劫になってしまう。
『起きなさいー、遅刻するよー』
結局いつも二度寝して、母の声で目を覚ます。慌てて起きて支度をするものだから、朝ご飯を食べる暇は無い。
高校生になって、タイツを履く機会が無くなった。校則では大丈夫なのだが、「ださい」とか「地味」とか言う声が多く履く機会がなくなってしまった。
家を出て駅に向かおうとすると、朝の冷たい寒さが身に染みて足に鳥肌が立った。
周りの目や声なんて気にせず、好きなことをやりたいと思うが小心者の私にそれは贅沢すぎる願いだ。悪く思われるのが嫌なのに目立ちたいという極端に対比した性格。
冬の寒さは、私をそういった自意識過剰な思考をキーンと凍らせて、いつも目を覚ませてくれる。
題 : 20歳
20歳の自分は何をしているのだろう。現在高校3年生の私には20歳までの猶予は2年とない。
小さい頃は、「将来はデザイナーになりたい。」
などと言ってたが、いざ現実を見るとそんなものは才能のある人しかなれないのだと突きつけられる。
現実的に考えて1人でも生活できる職につこうというのが私の考えである。
学校の先生には、「収入で将来就く職を決めるのか?」と言われるが全てにおいて凡才の私に何が出来るのかも分からない。だから結局、やりたいことも見つからず安定した収入の分野を選ぶことにした。
20歳の自分は何をしているだろう。充実した日々を送っているだろうか。この選択を後悔しているのだろうか。しかし、それでも、私はこの選択が間違いであるとは絶対に思わない。