私の友人は、よく泣く。
私が虐められて泣いて、私が少し倒れただけで泣いて。
私は友人の笑顔だけが見ていたい。
だから虐められたくなかったし、倒れるのも嫌だった。
そんな声はあいつらに届くわけもないし。
笑顔でいたら友人も笑顔でいてくれるから。
辛くても、何が嫌でも友人の笑顔をみるだけで思えてしまう。
泣かないで欲しい。彼女だけは傷付けたくない。頑張らなきゃ
大丈夫、私は死なないから。傷つかないから。だから
泣かないで
もうこんな季節、と溜息をつきながらコーヒーを啜る。
すっかり寒くなり、暖房を炊いていても寒さが感じ取れる。
私は冬が苦手だ。
勿論雪を眺めながら感傷に浸るのも悪くは無いが、私は寒がりなもので、とても耐えきれなかった。
毎日毎日早く終われと念ずるばかりで。
仕事の為に正装をし、マフラーを巻く。髪の毛を纏め、外に出る。
まだまだ寒いが、雪が降っていた。
綺麗だとは思いつつ、当たりを軽く見渡すと、子供がいた。
子供ははしゃぎながら雪だるまを作る。手を止めこちらを見やり、手を振ってくれる。
振り返し、私は思う。
冬の始まりも悪くない。
冬のはじまり
君は優しいから、なんにでも首を突っ込んでいってしまう。
虐められていた子を助けて、君が虐められてもいつもニコニコして。
虫かごに入れられていた虫を可哀想と逃がす為に、嫌いな虫を触って。
そんな君の事が、僕は大好きなんだ。
だからこれは愛情だから、いいんだ。
わざと他の奴を虐めて、注意してきた君を虐めても、君の顔を伺うためにわざと虫を捕まえても。
君の事が好きだから
愛情
少しだけ気怠い日。私は体温計を棚から出す。
測るが、微熱しかない。
そんな私は軽く絶望し、学校に向かう。
学校の途中に、鼻血が出た。
近くにいた人がティッシュを貸してくれて、何とか止まった。
礼をして、また向かい出す。
校門をくぐれば、たった1人の親友が校門の裏から出てきた。
「おはよう」私たちは軽く挨拶し、一緒に教室に向かって行く。
廊下まで行った所で、気分が悪くなり、倒れてしまった。
目覚めると保健室、先生は私の親友が運んでくれた、と言って体温計を渡してくれた。
心の中で親友には感謝し、体温計を脇に挟む。
ああ、微熱だ。帰らせて貰えない。
また、親友でさえも知らん振りしてしまう虐めが始まる。
毎日が辛いのに。親友の為に生きていたいと、思う。
明日こそは、熱が出たらいいのに
微熱
夏休みの終わりかけ、やっと宿題を終わらせた私は、自由解放中の学校に向かった。
肝試しでもなんでもないが、唐突に行きたいと思った。
屋上に走っていき、扉に手をかける。
開いた途端、綺麗な風が頬を通過する。
嗚呼、生きているんだと実感した
今、太陽の下で。