しらすこ

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11/24/2022, 1:36:22 PM

貴方が編んでくれたセーター。どんなに縮んでも、どんなに汚れても、貴方が最初に編んでくれた物だから。
私は大切にし続けたい。
そんな戯言を、貴方は今も天国から見てくれているだろうか?
もしかしたら、幽霊になっているかもしれないし、地獄に落ちているかもしれない。
でも私は貴方のセーターだけは、貴方のいる所迄持って逝きたい。
今、逝きます。貴方のセーターを着て

セーター

11/23/2022, 4:53:00 PM

高い所から落ちる夢なんて、誰しも見た事があると思う。
俺はその夢に常々悩まされていた。
俺は高所恐怖症で、夢ですら恐怖してブルってしまう。だが、ある日の仕事帰り。
ローブを着た美人な女に「貴方、夢で悩まされていますか」と聞かれた。
「はい、なんで分かったんですか?」と尋ねるが、こちらの声など聞こえないように話し続ける。
「そんな貴方にオススメなものがあるのです。それがこれです」
女はローブの懐から真珠のネックレスを出す。
「真珠は夢の世界のあなたを救ってくれます。そう、信じて念じればいいのです。寝る前にこの真珠に見たい夢を一つだけ唱えてください」
女からネックレスを貰った。呆気に暮れていると、女はどこかにいってしまった。
タダで貰ったものだし、と家に持って帰ってきた。
その後、風呂や飯や歯磨きを済ませ、ついに就寝前の時刻。俺は特に見たい夢もなかった為、
「美人なねーちゃんに囲まれたい」
と唱える。するとネックレスの真珠がひとつ黒ずんだ気がした。俺はネックレスをベットの横の机に置き眠りにつく。
その日の夢は、キャバクラか何かで女の子と遊ぶ夢を見た。

が、唐突に床に穴が開き、どんどん落ちていく。
次の日、落ちていく夢を見て俺は怒りと恐怖が交ざっていた。
「見ないって言っていたのに。アイツは今何処にいるのだ?…まぁ、悩んでいても仕方がない。会社に行かなくちゃなあ」
昨日の女の事は偶然だと諦め、会社に向う。

その日のまた帰り道、例の女に出くわした。
「駄目ですよ、念といえど困っている事に向き合って頂かないと。」
「はぁ、そうか。ありがとう」
困惑しながらも礼を言うと、女はまた何処かに消えてしまった。
その日、また就寝する前にネックレスに唱えた。今度は「落ちる夢を見ませんように」と。
その日の夢は真っ白な空間で彷徨う夢だった。
その夢にあのローブの女が出てきて、俺に対して「従順で良い子です。少しずつ続けてゆけば、理想の夢が見れるはずですわ」とキスしてくれた。

やけにリアルな感覚で目が覚めた。
あれ、ここは。
夢の中の白い空間に、あの女と2人。女は笑いながら言った。
「やはり従順な子は扱いやすい。2日で夢に引きずり込めるなんて、初めてですわ。」

夢に、ずる賢い何かに、落ちていく。