光と闇の狭間で
汽車は闇をぬけて 光の海へ
夢がちらばる 無限の闇(宇宙)さ
星の架け橋 わたって行こう
人は誰でも しあわせ探す
旅人のようなもの
希望の星に めぐりあうまで
歩きつづけるだろう
きっといつかは 君も出会うさ
青い小鳥に
汽車は闇をぬけて 光の海へ…
停車場
彼は闇の中での戦い方を教えてくれた
「俺より先に死ぬなよ」と語り合った
友を想出していた。
彼の髪を、闇の静寂が撫でた
彼は瞼を閉じた、闇の中なら
瞼を開いていようが閉じていようが同じだ、寧ろ瞼を閉ざすことで得ることの出来る、闇の中の闇が光を教えた。彼はあの友の言葉を想い出し、闇の中の闇の中で神経を集中させて、微かな響きを感じる、その方向目がけて戦士の銃の銃口を向ける光の矢が闇を切り裂き
彼は目的を達成する。
「大人になったな哲郎…」
今まで観た漫画の中で1番心に残っている場面だと言うのは私的な事だが、因果にも機械伯爵という彼の宿敵が父だったという皮肉に彼は真っ暗闇のその果てで、友の言葉を想い出す。長い旅路の中で出会った友の言葉は闇の静寂で彼に光を教える。
倒されて本望父ははじめて息子を讃える。
闇を知る者が光を知ることが出来るのだ。
私は、この永遠の中二病みたいな少年漫画の一節が人生には大事だと考える。闇を知らない者は光を知ることは出来ない、闇に嘆く者は光のさざめく波動を感じることは出来ない、ただ闇の中で泣き叫ぶ哀れな赤子となる、闇を恐れるな感じろ光が見える、、闇と光の狭間で。
こういう場所では、いくら百年生きたと自称されても、それで人ははかれない。永遠の中二病は真理を教えてくれるし、百年生きた先人の言葉でも浅瀬で生きた者の言葉なら響かないものは響かないからだ、何で判断するかと言えば、やはり言葉でしかないのであろう。
生きた証が言葉に出る言霊こそが、この闇に差す光となるのだろう、、光は闇の中で見るからこそその値打がある。
光と闇の狭間で。
令和6年12月2日
心幸
距離
羊飼いのメロスは純朴で正義感の強い青年である。彼の妹は結婚式を挙げるため、街に買い物に出かけた、彼女の住む街から一番近い距離にある栄えた街だ、久し振りに訪れたその街は賑やかで華やかで何でも揃った昔に比べ鄙びて寂しくなっていた。
そのことを、妹は兄に伝えた、妹からその話を聞いたメロスは街に赴き街の人たちから噂を聞いた、それは王様の悪い評判だった。
王様は人間不信に陥って人々をやたらと裁き酷い虐殺をして、恐怖政治を行っているという噂だった、正義感の強いメロスは激怒する、メロスは短刀を脇に忍ばせ城に侵入するも、直ぐに捕まる、さらには傍若無人にも王様に諫言苦言を言い放ち、王様の怒りを買いメロスは死刑が確定してしまう、メロスは王様に訴える妹の結婚式に参列する為に3日間だけ時間をくれと懇願した、3日後の日没までには必ず帰るからと、頼んだ。そして自分が帰るまでの間はセリヌンティウスというメロスの友人が人質として牢屋に入ると申し出た。これを聞いた人間不信の王様は、メロスが自分の命欲しさに逃げ出すところを見物するのも一興だとこれを承諾した。
メロスは一睡もせず走って家に帰り、妹の結婚式に参列した。そして明け方には友人の待つ街へと死刑を受ける為に、友人と交代する為に走り出した。豪雨で増水した濁流の川を泳いで渡り、襲って来た山賊も倒したメロスだがついには力尽き諦めかけてしまう、一度は諦めかけたメロスだが、自分を信じて待っていてくれる友は裏切れまいと必死で走り続ける。血を吐いてボロボロになりながらも、彼は日没直前死刑台の前に滑り込む。
ボロボロになりながらも辿り着いた友人に、涙のセリヌンティウスは、一度だけメロスを疑ったと言い、メロスもまた一度だけ友を裏切り逃げようとしたと打ち明けた。二人は一度ずつ互いの頬を殴り、そして抱き合った。
この二人を見た王様は胸打たれ、メロスを無罪にし、「私も仲間に入れてくれ」と言った。
「走れメロス」 作 太宰治
ご存知、「走れメロス」は、ざっくりこのような話。何が凄いか分かりますか?いや、個人的にセリヌンティウス凄い奴っていうのは置いておいて自分の好みだから、メロスより待った信じた引き受けたセリヌンティウスが男前だというのは置いておいて、この二人が凄いのは互いに、友を信じた自分を信じ抜くところだよね。
まあ、メロスは早合点にも程があり、妹の話を聞くが早いが街に行くは、王様に諫言苦言言い放つ傍若無人の独善主義で傍迷惑な奴なのだが、彼のこの一見無鉄砲な正義感も率直さも愛してやまなかった(BLじゃないからね念の為)のだろうと思われるセリヌンティウスは彼の申し出を受けメロスを妹の結婚式に行かせる、分からない人には、それが何?有り得ないじゃん、メロス逃げ出すの当たり前で、帰るの馬鹿みたいで、ボロボロになっても帰るって何が感動するの?感動しないよねな、文豪の名作「走れメロス」だけど、セリヌンティウスは自分が見たメロスを信じ、メロスを信じた自分を信じ抜く、メロスもまた、自分が見たセリヌンティウスを想い、セリヌンティウスを想う自分を信じ抜く。だから凄いんですよ、傍迷惑な友人からの傍迷惑な申し出受けたセリヌンティウスの心には、傍迷惑だが大切な友の姿があり共に過ごした時間がそうさせた、メロスもまた、傍迷惑な自分の申し出を受けて待っていてくれる友への想いが有り、メロスは自分のセリヌンティウスへの想いを信じて走り抜いたのだ
だから感動するんだよ、互いの心の距離がメロスが走った距離に勝ったのだ、それは王様の心も変えさせた。二人が友情を育んだ時間互いの背の温もりを二人は忘れていなかったのだろね
だからこそ感動する名作なのだよ、読み解けないことは自慢にならないよ。
〇〇ガイみたいなこと寂しく自慰行為していないで、読み取ろうとしてごらん。まあ、あなたの問題に口挟む気はサラサラないけど、理解出来ずに、理解出来る人を揶揄するのは哀れだから、せめておやめなさい、あなたと同じ感受性を持ち合わせてなくて本当に良かったと思います(笑) 太宰治は変人だけど信頼信じるって事に関する感受性には共感出来て良かったと思う一作でした。
友情も愛情も信頼も、互いの心の距離が大事ですね(笑)
令和6年12月1日
心幸
泣かないで
だから何度も言うけど、あなたの好き嫌いって関係ないのよ、あなたに嫌われても彼は彼女もそして私も困らないわよ(笑)
とかく女の子は物事の正否を自分の好き嫌いではかるけど、自分をどの位置に置いてる訳ですそういうの? あなたが嫌いだろうが好きだろうが、そのものの価値変わらないわよ、それともあなた、自分の好き嫌いがものの正否に関わるような、凄い人間だってことが言いたいの?だからやたらと自分の好き嫌いを子供みたいに正しさの基準にするの?
自惚れやさんね(笑)それで自称気遣いの出来る常識人とか優しくありたい、お利口さんな賢者の繊細さんだって言ってたら笑っちゃうわよ、自分でそう自称する段階でちょっとあれだけど(笑)自分の好き嫌いがものの正否に関わるなんて青筋立てて思ってるの相当狂っていて図太くて独善的よ、、自覚はあるの?「しくしくし、もう嫌い、あなたなんて、大嫌い 覚えてらっしゃい」あら、泣かしちゃった?泣かないで、でもそれが世間の大人ってもので、謙虚さってものよ、自分の欲を知るって言うかね。お母さんもお父さんもお婆ちゃんもお爺ちゃんも教えてくれなかった? そんなのみんな関係ねえって生きて来た?そんなのみんな私の気持ちに寄り添わない毒親だって生きて来た?可哀想に同情はしないけど理解はするわ、あなたとっても孤独で寂しい人だと分かるもの、だからどうぞ泣かないで、泣かないで(笑)
きっと、今よりもましな自分に会えるから
自分のために泣かないで、きっと涙は誰かのために流す時には今よりもましな自分会えるから。
自分のために優しさって言葉を使わない、好きな人に優しくするのは当たり前で簡単なことよ(笑) あなたの好き嫌いも正否もあなただけのもので、他人にあてはめて裁くものじゃない
から、自分の好き嫌いに青筋立てて泣かないで。
ちりぬるをわか、なにぬねの〜
寂しくなったり 喜んだり
その繰り返し繰り返し
あさきゆめみし、まみむめも〜
嬉しくなったり悲しんだり
その繰り返し繰り返し
「ちりぬるをわか」
私の持つ光は、あなたの持つ光と違います
生まれた場所や、生きて来た道が違うのと同じ
私の光が、どんな役割を果たすのか誰も私さえも知りません、あなたに決められるはずもありません、あなたの光が、どんな役割を果たすのか誰も私もあなたさえも、知りません。
駆け巡る赤い液体は、速度を速めたり遅めたり、脈打つ胸も、この自然の移り変わりや時の流れのように、似ているようで、ひとつひとつ一人一人違います。
他人が自分と違うからって自分の好き嫌いを正否として語る幼さを卒業して、青筋立てて泣かないで、少し大人になれるとイイね。
だから、どうぞ自分のために青筋立ててイライラして泣かないで。
令和6年11月30日
心幸
冬のはじまり
季節のない街に生まれ
風のない丘に育ち
夢のない家を出て
愛のない人に逢う
人のために良かれと思い
西から東へかけずりまわる
やっと見つけた優しさは
いともたやすく萎びた
春を眺める余裕もなく
夏を乗り切る力もなく
秋に枯葉に身をつつみ
冬に骨身をさらけだす
今日ですべてが終わるさ
今日ですべてが変わるさ
今日ですべてが報われる
今日ですべてが始まるさ
となりを横目で覗き
自分の道をたしかめる
またひとつ狡くなった
当分照れ笑いが続く
今日ですべてが終わるさ
今日ですべてが変わるさ
今日ですべてが報われる
今日ですべてが始まるさ
「春夏秋冬」 作詞 泉谷しげる
春も夏も秋も冬も、この一年徒労にくれたと、ため息ついてるあなた、なにも良ことがなかった日常は誰かのせいと言うあなた、頑張っても頑張っても成果の出ない仕事に嫌気が差すあなた、そうしたものに対して、今日ですべてが終わり、そこからすべてが始まるという熱いメッセージを受け取ってほしい。
冬の木立は葉を落としてズル剥けで、すべてが終わって見える、その木立に掌をおいて目を閉じてみると、遥か遠くに脈打つ春の音が掌に届く、全ての終りは全ての始まり、終に見た街は始まりの街。
冬のはじまりは季節の始まり。
終わらない歌を歌おう
クソったれの世界のため
終わらない歌を歌おう
全てのクズ共のために
終わらない歌を歌おう
僕や君や彼らのため
終わらない歌を歌おう
明日には笑えるように…
「終わらない歌」 作詞 甲本ヒロト
冬の始まりは季節の始まり、今大嫌いなあなたにこの言葉を捧げます。
冬をはじめてください。
令和6年11月29日
心幸
終わらせないで
「新しい友達とトークしよう」時々そんなメッセージがラインに届きアイコンが表示されている、誰だか分からないのは即ブロックなのだがその日は、とても懐かしい名前が上がってきていた、思わずアイコンとホーム画面をチェックした、彼女に間違いないと思った。クリスタルブルーのキラキラホームに可愛い昔懐かしいキャラクターのアイコン、そのキャラクターも実に彼女らしくて思わず脳裏に小学生の頃の風景が走馬灯のように駆け巡った、そんな目覚め。
コーヒーを入れながら休日の少し遅い朝を迎えていた、家族はもう出払っていて愛猫と向い合せ、もう一度スマホを手に取りラインに上がった彼女のアイコンを眺めた、、メッセージ入れてみようか?でも、もう20年以上は連絡取っていないし、私は彼女の今の住所も連絡先も知らなかったのだ、けれど、あまりに懐かしその名前に思わず「〇〇ちゃん?」とメッセージを入れた、暫くスマホとにらめっこしていたが返信も既読にもならず、そのままスマホを閉ざし家事をしていた、お昼頃ラインメッセージの到着音にスマホを開くと「そうよ、お久しぶり」という返信が来た。実に意思疎通のやり取りをするのは彼女の結婚式の後以来だろう。それから生きる道が随分変わり疎遠になり何時しか連絡も途絶え、随分前に同窓会の連絡を古い携帯番号に入れたが繋がらずそれきりだった。彼女の実家は知っているけど今はご両親だけなはずだし、少し敷居も高く、帰省しても訪ねることはなかった。そんな彼女と久し振りに繫がれて他愛のない昔話のやり取りで盛り上がり、互いの近況報告に至って言葉を失った、それは「元気にしてる?」の言葉から「まあ、元気かな、、癌だけど」だった。彼女はことのほかナイーブな人だと知っていたので、どう返したらと思ったが、まあそう言われたら「大丈夫なの?手術とかなの…」と返した。「乳癌が見つかった時には肝臓に転移していて、再発して脳にも転移した…」もう手術はしないのだと言う、なんてことだ、昨年一昨年と義両親を共に癌で見送った私には、どんな状態か想像出来たからだ。その言葉を私は口にしなかった、彼女に確かめなかった、確かめる必要ないと思った。極懐かしい友達に久し振りに連絡出来た、先ずそのことを喜び合いたかったからだ。そして1番気になっていることを彼女にそれとなく尋ねた、ご両親のこと私たちは共に一人っ子同士(その頃田舎では珍しかった)で、私は早くに母を亡くしているので彼女のお母さんには、良くしてもらったからだ。すると彼女は「母は2年前に亡くなった」と返信が来て、まあ、お互いの年齢も親の年齢も考えれば見送りの時期だから、あり得る話しだが、彼女が癌の告知を受けたのがちょうどお母様を見送るその1年ほど前で、彼女はその頃に年老いた父に任せていた母の介護をするために東京から帰って来ていたそうだ、そして更にその3年ほど前に離婚していた。バリキャリで結婚も遅目だった彼女は、方言もすっかり話さない都会に染まった才女だったはずなのだ。なによ、そのキャラ壊さないでよ、あなたは昔っからクラストップのいや、学年トップの優等生で、ずっとそうで、あなたと同じ中学高校に行けたのは私の自慢で、関西きっての難関国立大学に現役入学して、将来最有望視され、バリキャリで東京で働いてんじゃなかったの!?そのままでいてよって。それからライン電話に切り替えて、弱くなった彼女の声を聞いて、私は泣かないように一所懸命自分の太腿を抓っていた。
それから、毎日のように彼女から連絡があり、私は、彼女のお母様に選ばれたような気がしています。「有り難うございます」私はお母様の変わりにはなれませんが、満身創痍で故郷へ帰って来た友人のそう遠くないかも知れないエンディングの側に居させてもらいます。幸い私ももう、セミリタイアの身で仕事も楽になりましたから、二人いや、故郷の友人たちみんなで集まって終わらない昔話をしたいと想います。
どうか、そんな昔話を、終わらせないでください。
久かたの 光のどけき
小春日(春の日)に
静心なく 花の散るらむ
もう一度咲け 冬桜
令和6年11月28日
心幸