距離
羊飼いのメロスは純朴で正義感の強い青年である。彼の妹は結婚式を挙げるため、街に買い物に出かけた、彼女の住む街から一番近い距離にある栄えた街だ、久し振りに訪れたその街は賑やかで華やかで何でも揃った昔に比べ鄙びて寂しくなっていた。
そのことを、妹は兄に伝えた、妹からその話を聞いたメロスは街に赴き街の人たちから噂を聞いた、それは王様の悪い評判だった。
王様は人間不信に陥って人々をやたらと裁き酷い虐殺をして、恐怖政治を行っているという噂だった、正義感の強いメロスは激怒する、メロスは短刀を脇に忍ばせ城に侵入するも、直ぐに捕まる、さらには傍若無人にも王様に諫言苦言を言い放ち、王様の怒りを買いメロスは死刑が確定してしまう、メロスは王様に訴える妹の結婚式に参列する為に3日間だけ時間をくれと懇願した、3日後の日没までには必ず帰るからと、頼んだ。そして自分が帰るまでの間はセリヌンティウスというメロスの友人が人質として牢屋に入ると申し出た。これを聞いた人間不信の王様は、メロスが自分の命欲しさに逃げ出すところを見物するのも一興だとこれを承諾した。
メロスは一睡もせず走って家に帰り、妹の結婚式に参列した。そして明け方には友人の待つ街へと死刑を受ける為に、友人と交代する為に走り出した。豪雨で増水した濁流の川を泳いで渡り、襲って来た山賊も倒したメロスだがついには力尽き諦めかけてしまう、一度は諦めかけたメロスだが、自分を信じて待っていてくれる友は裏切れまいと必死で走り続ける。血を吐いてボロボロになりながらも、彼は日没直前死刑台の前に滑り込む。
ボロボロになりながらも辿り着いた友人に、涙のセリヌンティウスは、一度だけメロスを疑ったと言い、メロスもまた一度だけ友を裏切り逃げようとしたと打ち明けた。二人は一度ずつ互いの頬を殴り、そして抱き合った。
この二人を見た王様は胸打たれ、メロスを無罪にし、「私も仲間に入れてくれ」と言った。
「走れメロス」 作 太宰治
ご存知、「走れメロス」は、ざっくりこのような話。何が凄いか分かりますか?いや、個人的にセリヌンティウス凄い奴っていうのは置いておいて自分の好みだから、メロスより待った信じた引き受けたセリヌンティウスが男前だというのは置いておいて、この二人が凄いのは互いに、友を信じた自分を信じ抜くところだよね。
まあ、メロスは早合点にも程があり、妹の話を聞くが早いが街に行くは、王様に諫言苦言言い放つ傍若無人の独善主義で傍迷惑な奴なのだが、彼のこの一見無鉄砲な正義感も率直さも愛してやまなかった(BLじゃないからね念の為)のだろうと思われるセリヌンティウスは彼の申し出を受けメロスを妹の結婚式に行かせる、分からない人には、それが何?有り得ないじゃん、メロス逃げ出すの当たり前で、帰るの馬鹿みたいで、ボロボロになっても帰るって何が感動するの?感動しないよねな、文豪の名作「走れメロス」だけど、セリヌンティウスは自分が見たメロスを信じ、メロスを信じた自分を信じ抜く、メロスもまた、自分が見たセリヌンティウスを想い、セリヌンティウスを想う自分を信じ抜く。だから凄いんですよ、傍迷惑な友人からの傍迷惑な申し出受けたセリヌンティウスの心には、傍迷惑だが大切な友の姿があり共に過ごした時間がそうさせた、メロスもまた、傍迷惑な自分の申し出を受けて待っていてくれる友への想いが有り、メロスは自分のセリヌンティウスへの想いを信じて走り抜いたのだ
だから感動するんだよ、互いの心の距離がメロスが走った距離に勝ったのだ、それは王様の心も変えさせた。二人が友情を育んだ時間互いの背の温もりを二人は忘れていなかったのだろね
だからこそ感動する名作なのだよ、読み解けないことは自慢にならないよ。
〇〇ガイみたいなこと寂しく自慰行為していないで、読み取ろうとしてごらん。まあ、あなたの問題に口挟む気はサラサラないけど、理解出来ずに、理解出来る人を揶揄するのは哀れだから、せめておやめなさい、あなたと同じ感受性を持ち合わせてなくて本当に良かったと思います(笑) 太宰治は変人だけど信頼信じるって事に関する感受性には共感出来て良かったと思う一作でした。
友情も愛情も信頼も、互いの心の距離が大事ですね(笑)
令和6年12月1日
心幸
12/1/2024, 3:02:30 PM