終わりなき旅
静かな河を渡る船を待っていた。
長い旅路が待っていた
色んな船がやって来る
豪華客船タイタニックも
カチカチ山の泥の船もだ
どれに乗るかは自由だった
私は選んでその船に乗った
はずだった
その船を漕いで行け
お前の手で漕いで行け
お前が消えて喜ぶものに
お前のオールを任せるな…
そんな歌歌いたい気分
そう思って漕ぎ続けた
タイタニックもカチカチ山の船も
消えたけど
私の船は航海を続けた
嵐もあり日照りもあり
凪もあり朝日と夕日を
幾度も越えて
気づけば、また同じ場所で
船を待っていた
何周目?
2周目終わったかな
だから、今度は3周目
どの船に乗りますか?
そう聞かれて
考えて言ったつもり
ノアの方舟
相変わらず
波乱が好きですね
鬼が笑う
閻魔も笑う
お釈迦様も笑う
遠くであなたの声も聞こえた
準備完了
輪廻転生
終わったら
また始まる
終わりなき旅
私はその船を選んで乗った
2024年5月30日
心幸
「ごめんね」
ごめんね青春
1番ごめんねと言ってあげたいのは
まだ何者でもない何者かになりたかった
彼女にです。
いっぱいしくじりました
いっぱい後悔しました
いっぱい傷をつけました
いっぱい嘘もつきました
いっぱい騙されました
いっぱい騙しました
いっぱい泣きました
もう、全て終わってしまえ
そう願った日がありました
悔しくて悔しくて
ただ、泣いていました
ごめんね、あなたの思うような
私にはなれませんでした
けれど、生きてます
生きて来ました
明日も生きるつもりです
ごめんね青春
ごめんねお母さん
せめて、せめて
あなたがくれた
命を、精一杯
生きようと思います
時々笑って
最後に笑って
泣きそうな時は
空を見上げ
悔しい時は
石ころ蹴飛ばしながら
精一杯生きようと
思います
やがて、日が暮れ
あなたの元へ帰れますように
この道が
あなたの元へ続いていますように
ごめんね、お母さん
ごめんね、わたし
それしか、出来なくて
ごめんね
2024年5月29日
心幸
半袖
今日は半袖は少し寒い
五月の雨は冷たくて
雨に濡れながら走った後に
喫茶店のドアを開けると
冷房がかかっていて
微妙…。
冷房がかかり始める季節
でも、まだ今日は寒い
雨に濡れた腕にハンカチを
あてながら思う
少しでも風のあたらない場所を
探して…。
メロンソーダを注文
温かい飲み物に
すれば良かったと後悔
喫茶店のドアが開くたび
少しでもドアの近くに座るべき?
変わりないか…。
1番奥の店内が見通せる
席に座りながら
今更思う、あれやこれ
まだ、待ち合わせた時間まで
少しあるから本を出しながら
思う…。
10分くらい待ったかな
体の芯が冷えてきて
半袖の袖口から出た
腕が冷たくて
知らずさすっていた
半袖は失敗…。
腕を抱えて待ったかな
待ちきれず
ごそごそ、鞄の中を
早急の雨でちょっと
濡らしたカーディガン
羽織るけど…。
ちょっと濡れた
カーディガン
やっぱり、余計に
寒くなって結局
半袖に戻る…。
初めての雨の待ち合わせ
やっと待ち人が来た時には
鼻を啜っていた
次の日から
熱が出て学校を休んだ…。
初めての
雨の日の待ち合わせ。
2024年5月28日
心幸
天国と地獄
ねえ、君。
天国と地獄とは同じところなのかも知れないねと老人は言った。
幸せは人の心が決めるものってやつと同じだよ君。
ようは、もののとりよう。
誰もが、そこは地獄だと言ったとしても、唯一人お前がいるだけで、そこが天国だよと笑う馬鹿な奴がいる。逆に誰もが、そこは素晴らしい天国だよと言ったとしても、唯一人お前がそこに居なければ、そこは地獄だよと泣く馬鹿な奴がいる。
結局、幸せも天国も地獄も同じ場所にある
そう、それは君の心が決めるもの。
2024年5月27日
心幸
月に願いを
月に願いをとか言えば、すぐに「ロミオとジュリエット」を想像してしまう。馬鹿を言うな!あれは願いではなく誓うと言ってロミオはジュリエットに詰られたんだ、何故ならこうだ、、
「嗚呼、貴方はどうしてロミオなの?」と敵対する家に生まれたロミオとの恋に悩み思いつのるジュリエットの姿を見ていたロミオが変わらぬ愛を月に誓うと言うとジュリエットは言う
「嗚呼、月になんて誓うのはおやめになって、あんな夜ごと姿を変える月などに貴方の愛をお誓いにならないで」とジュリエットは懇願する。
そう、月になら願いでも誓いでもなく呪文くらいが相応しい。夜ごと姿を変えそして暗闇に深々と白かったり青かったり赤かったり黄色かったりの顔をする月は、月こそは罪を犯したり、犯したその罪や膿を滴らせた傷口を隠すのに相応しい。
古今東西今昔 満月今月今夜の月夜の晩の丑三つ時に恋の恨みを参るのも、吸血鬼ドラキュラが人の生き血を欲しがるのも、狼が生け贄欲して遠吠えするのも月夜の晩月に向かってと相場が決まっている。
星には願いを
月には呪いを
朝日には感謝を
誓いなら夕日に
そうだ、明日考えよう
明日に望みをたくして
彼女は故郷の大地をその土を
握りしめて
スックリと立ち上がり
紅色に染まる空に
拳を高く掲げた
それが、大地と空と
朝日と夕日と
星と月との理。
2024年5月26日
心幸