「ただいまー」
彼女が無事帰ってきた。
その姿はどこかたくましく同時にほっとしているように見えた。彼女の表情からは疲れが垣間見えた。僕はそんな彼女をぎゅっと抱きしめた。彼女も抱きしめ返してくれた。心臓が鳴っているのがすぐにわかった。彼女の無事と安堵したせいか涙が溢れた。彼女も気がついたのかそのまま抱きしめていてくれる。
嗚呼、きっとこの先もこうして僕たちは前に進んでいくんだ。
君にならどんなに振り回されたっていい。
きっと長い長い道のりかもしれない。
君が笑ってくれるなら、楽しんでくれるなら僕はそばにいたい。
いや、そばにいさせてよ。
君と一緒にいつまでも、どこまでも。
「嗚呼」
今の気持ちを含め、大切な人がいるって幸せなんだなって思いながら書きました。これからも自分の気持ちを大事に文字にしていきたいと思います。
明日は運命の日。待ちに待ったその日。
ねぇ…明日、急にどこかに行っちゃったりしないよね?何があっても僕はここにいるよ?だから無事に帰ってきて。もし帰るのが嫌なら僕がそこに行く。そこを2人だけの「秘密の場所」にしよ?だって君の楽しいは僕の楽しい、君の悲しいは僕の悲しいだから。何日、何週間、何年でも付き合ってあげる。どこまでもついて行きたい、ついて行かせてよ…
そうすることしか僕にはできないのだから。
「秘密の場所」
歌を口ずさむ彼女はいつも楽しそう。
そんなまっすぐで楽しそうな姿に見惚れてしまう。
きっと明日も明後日もいつまでも忘れないだろうな。
今が1番楽しいってこと。
だから今日も僕は彼女と向き合える。
同じ歌を歌える。
「ラララ」
あれから数年…
君は元気かな?鼻をつんと突き抜ける風、そしてその風に立ち向かうように歩く高校生たちが目に止まり、ふと思う。風に靡く君はまるでこたつで丸まった猫のように愛おしかった。
いつの日からだろう。君のことを考えなくなったのは。あんなに楽しかったはずなのにな…
冷たい風はいつもそんな自分を締め付ける。でもどうして風は不意に自分を襲ってくるのだろう…
和気藹々と歩く高校生たちを見て考える。
「あぁ…そうか。」
風はいつも君を連れてきてくれてたのか。君を忘れないように。なくさないように。置いていかないように。
そんな風はいつもより少し暖かく感じた。
「風が運ぶもの」