あれから数年…
君は元気かな?鼻をつんと突き抜ける風、そしてその風に立ち向かうように歩く高校生たちが目に止まり、ふと思う。風に靡く君はまるでこたつで丸まった猫のように愛おしかった。
いつの日からだろう。君のことを考えなくなったのは。あんなに楽しかったはずなのにな…
冷たい風はいつもそんな自分を締め付ける。でもどうして風は不意に自分を襲ってくるのだろう…
和気藹々と歩く高校生たちを見て考える。
「あぁ…そうか。」
風はいつも君を連れてきてくれてたのか。君を忘れないように。なくさないように。置いていかないように。
そんな風はいつもより少し暖かく感じた。
「風が運ぶもの」
3/6/2025, 11:55:54 PM