NoName

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11/6/2024, 1:46:08 PM

お願いだ。
  私を全て消し去って、この世から消してくれ。激しく降り続く強い雨の音が私の存在を隠す。深いため息を吐いて視線を上げ、また俯き歩き出した。
  「私」が嫌になる。私だからなんでもできて、
私だから何にもできない。自分に囚われた醜い私。

 また一つため息を吐き、ゆっくりと瞼をあけた。サーッと雨音がして周りの音がよく聞こえる。傘にあたる雨音なんてしない。ずっとずっと私を包んで歩く柔らかい雨が生暖かくて嫌になる。

「柔らかい雨」

11/2/2024, 12:46:06 PM

「ねえ、まだ寝ないでよ」

  いつも素っ気ない君に嫌気がさして、通話を切ろうとする君の指を止めた。「何かあるの?」と聞かれ、私は少し黙る。「何もないけどまだ一緒にいたい」なんて言えず「んー、やっぱなんでもない」何かありそうに言い放ち、私は通話を切った。

眠りにつく前に、
      少しくらい私を思い出して。

10/30/2024, 1:33:44 PM

男女関係なく遊んでたあの頃
   自分の気持ちに素直だったあの頃
        過去を羨んでいる今日さえ


きっといつかは「懐かしく思うこと」

10/28/2024, 12:36:29 PM

 ここはどこ?ずっとずっと光のない道を彷徨って彷徨って彷徨って、考えても考えても私の道なんて見つからない。答えのない問いばかりが、ぐるぐるぐるぐる頭の中を回ってる。誰かの道を見つけては縋って縋って縋って、空っぽの自分を隠したくて、でもそれにも限界がきて、またそれの繰り返し。

 なんとなく周りの音も色も薄くなってきて、何もしない日が多くなって、ただただ無気力になっていく。このままじゃいけないって踠いて踠いて踠いても抜け出せなくて、どこかで諦めてる自分もいて。

 人に疲れたのに人に依存して、またどこかで人に期待してる。人に縋っているときだけは、その人の一筋の光の道を歩き自分は大丈夫だって安心する。でも自分を抑えられなくなってまた戻るんだ。

 私は私を探して歩く。縋って、踠いて、みっともなくたってずっと、この「暗がりの中で」

10/26/2024, 11:13:40 AM

合言葉の愛言葉


 学校終わりに君が居たら嬉しくて、「お疲れ様」が温かくて、ふと溢した「だいすき」。
夜が更けるまで話した後の「おやすみ」がくすぐったくて、「また明日」に夢を願う。

 今ではもう夢の中。その夢でさえも私を縛るから
夢に囚われた空っぽの愛言葉を綴って、スイセンの花を抱えた。


「愛言葉」

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