「ねえ、まだ寝ないでよ」
いつも素っ気ない君に嫌気がさして、通話を切ろうとする君の指を止めた。「何かあるの?」と聞かれ、私は少し黙る。「何もないけどまだ一緒にいたい」なんて言えず「んー、やっぱなんでもない」何かありそうに言い放ち、私は通話を切った。
眠りにつく前に、
少しくらい私を思い出して。
男女関係なく遊んでたあの頃
自分の気持ちに素直だったあの頃
過去を羨んでいる今日さえ
きっといつかは「懐かしく思うこと」
ここはどこ?ずっとずっと光のない道を彷徨って彷徨って彷徨って、考えても考えても私の道なんて見つからない。答えのない問いばかりが、ぐるぐるぐるぐる頭の中を回ってる。誰かの道を見つけては縋って縋って縋って、空っぽの自分を隠したくて、でもそれにも限界がきて、またそれの繰り返し。
なんとなく周りの音も色も薄くなってきて、何もしない日が多くなって、ただただ無気力になっていく。このままじゃいけないって踠いて踠いて踠いても抜け出せなくて、どこかで諦めてる自分もいて。
人に疲れたのに人に依存して、またどこかで人に期待してる。人に縋っているときだけは、その人の一筋の光の道を歩き自分は大丈夫だって安心する。でも自分を抑えられなくなってまた戻るんだ。
私は私を探して歩く。縋って、踠いて、みっともなくたってずっと、この「暗がりの中で」
合言葉の愛言葉
学校終わりに君が居たら嬉しくて、「お疲れ様」が温かくて、ふと溢した「だいすき」。
夜が更けるまで話した後の「おやすみ」がくすぐったくて、「また明日」に夢を願う。
今ではもう夢の中。その夢でさえも私を縛るから
夢に囚われた空っぽの愛言葉を綴って、スイセンの花を抱えた。
「愛言葉」
友達との帰り道、
キンモクセイの匂いにあの人を思い出す。
曲がり角で友達と別れた後、1人になった私はなんとなく寂しい気持ちになり空を眺めた。
私を置いてどこまでも遠くへ行ってしまうような、
高く広い空が私には眩しすぎて、私はまた前を向きただただ足を進めた。
「秋晴れ」