【終わりにしよう】
僕たちはいつだって終わりに向かって走り続ける
終わりの無いものなどあるのだろうか
あるとすれば、それはそもそも存在しないもの
架空のもの
答えを知らないもの
結局いつだって答え合わせをしたがる
答え合わせの時が、終わりのはじまり
でもきっと、終わりがあるから寂しいじゃなくて
終わりがあるから、必死こいて全力疾走できる
たぶん、そんな、感じ。
【目にしているのは】
目にしているのは未来
どれだけ過去を振り返ったって戻ってくることはないから
目にしているのは世界
自分だけが頑張っている、なんて考えることほど不幸なことはないから
目にしているのは期待
「どうせ」なんて言葉は口にすればするほど、
魔法のランプのように現実となって姿を現すから
目にしているのは誤解
心の内を話し合えるまで、真実なんて誰にも分からないから
目にしているのは正解
なんて言いながらも、結局あなたが、わたしが
見ているものだけを、見えるものだけを
信じることが人類史上の正義だから
さて、結局、目にしているのは?
【優越感、劣等感】
優越感
ゆうがた の間に家に帰れた時
うらやましい と誰かに言われた時
えがお で昔好きだった人の横を通り過ぎる時
つかれて 帰る途中でウーバーイーツを注文した時
かんがえると くだらないような、
でもその瞬間は幸福感と満足に満ち溢れるような
劣等感
れんらく を取り合うふたりに気付いた時
つまらない 話で皆が爆笑してる時
となり を歩く友達が美人でスタイル抜群な時
うしろ にラブラブなカップルが歩いている時
かんがえると 情けないような、
でもその瞬間は敗北感と無機質な感情で包まれるような
たったこれだけの情報で
自分のかっこつけていたかった価値観が剥き出しになる
自分が思っているより、普通に、一般的な、人間だった
どうかこれを全て受け止めて、認めてあげよう
【友だちの思い出】
それは中学三年生の頃。
降り続く雪にまみれながら必死に自転車のペダルを漕ぎ
初詣に、人生初恋の彼とのデートに着ていく服を
一生懸命に探しに行ってくれた。
余談だが雪が降りすぎて地面が分からなくなって一緒に田んぼに落ちたっけ。
それは高校二年生の頃。
家の裏で見た大量の流星群を26歳の今でも鮮明に覚えている。
家の裏に住む幼馴染達と道路で川の字になり寝そべり、
飽きることなく流星群が通る度に、願い事を叫び、
いつの間にか明るくなっちゃって、
笑いながらパジャマ姿でブランコを漕ぎまくった。
その後、帰宅後に酷く母親に怒鳴られ続けたことさえも愛おしかったり、嫌でもあれはやっぱり、怖かった。
それは大学三年生の頃。
不慣れな留学先ロンドンで、負の連鎖続きに起こる出来事や楽しくてしょうがない日々の報告を
ただひたすら時差関係無く聞いてくれて、
一人じゃないと確信できた。
でもやっぱりロンドンはご飯が不味かったな、なんてふと思い出す。
それは社会人一年目の秋。
人生はじめての顧客のクレーム対応に、
全くの業務外にも関わらず一生懸命一緒になって泣いて、怒って、応援してくれて、考えて、
最後にはいつの間にか笑ってぐっすり眠れてたなんて日もあった。
友だちは、正直他人でしかなく、
人生のやることリストはきっと自分のことで精一杯で、
もちろん自分の部下や後輩ではなく、
業務外の、シフト外の、時給発生対象外の筈なのに
まるで自分事のように受け止め、行動のできる皆々様が私は心から大好きでしょうがない。
ただ一つ絶対条件として守らなくてはいけないことがある。
そんな相手こそ、日頃の感謝を伝える旨を絶対に忘れずに、また、困った時は助け合うことが原則だ。
甘えるな、私、甘えろ、わたし
なんて行ったり来たりの日々に慣れるにはやはりかなり難しい。
【今日の心模様】
年々、こんな風に思う。
強くなったな、私。
年々、こんな風に思う。
強過ぎて心配だな、私。
年々、こんな風に思う。
強くなりたかった訳じゃない。
ひとりで何でもできるようになりたかった訳じゃない。
だって美味しいご飯を食べた時、美味しいねって
綺麗な景色を見た時、綺麗だねって
悲しいことがあった時、悲しいーーーーって
たぶん誰かに、いや、誰かと、言い合いたい
強さって、つくづく厄介なものと思う。
苦くて悔しい過去と逆境を、乗り越えれば乗り越えるほど
それが結局、まるで人生を豊かにする肥料のように
どんどん人間レベルが進化していく
自分の中で課題を解決して挑み続けるほどに
もうあんな風に壊れたくない、逃げ出したいと弱音を吐きたくないと
思えば、思うほどに
まるで人類最強のマインドコントロールマスターみたいに
それは素敵なことなのに
いまの自分は本当に私が望んだ姿だったのか
ないものねだりながらの葛藤が私を襲う
今日、夕方にブランコで遊ぶ家族を見た時に
今日、帰り道の駅で手を繋いで階段を降りる老夫婦を見た時に
わたしはひとりで強くなりたかったわけじゃない
わたしは誰かと強くなりたかったなと
この弱さこそ分かち合える誰かに本気で出逢いたいと
そんな今日の心模様