あの日のあなたの純粋な優しさが
私に向けられていなかったらきっと
私は二度もあなたに恋をすることはなかった
だから私に優しくしないで欲しかった
などと嘘を
もしも時を戻せるなら
あなたへとつながる糸を自ら断ち切った日に
あなたはもう私のことは思い出さずに
大切な人とひとつになった人生を歩く
私はお互いが初恋だったことだけを胸にしまって
立ち止まる
僕は忘れていた
すっかりこの生活が馴染んで
当たり前だとは馬鹿らしい
“明日死ぬから今宵を謳歌せねば”
何かの本で読んだ一節を
息を切らして走り、熱が上った頭で思い出す
謳歌できない夜も
忘れられない夜も
忘れてしまいたい夜も
息がくるしい
風に乗って走れ
全力尽くして熱くなれ
って、小6のときに皆で考えた
運動会のスローガンだったわ
2024.4.23.火
今日の心模様
ホッと胸を撫でおろした
朝起きてから出勤するまで
退勤してからその瞬間まで
心臓の鼓動が速まり、落ち着かず
食事も無理に飲み込むほどだった
しかしいざその瞬間が来れば
よかった、と安心したような心地だった
それもまた不思議な体験だった
無色とはつまり、白、なのだろうか。
それとも透明なのだろうか。
彼を色で表すなら何色だろうか。
ある時は黒
ある時は白
ある時は…夕焼け……
「どうしたんだい?」
「いや…、あ、今日学校でクラスメイトを色に例えるなら?っていう話題になったんだ、それで──」
「なるほど、僕の色は何色かって考えていたのか」
「うん」
「で、何色だと思ったんだい」
「…安直だけど、黒と白、だよ」
「へえ…君にしては珍しいほど単純だね」
「だから言ったでしょ」
「じゃあ僕から見た君の色も教えてあげよう」
どーせ青だろ
「夕焼け色、かな」
「え、なんで」
「君の力は凄まじい。周りすべてを君の考えや行動で塗り替えていく。それを夕日に例えたんだ。なかなか風情があるんじゃないか。」
「…そだね…」
こういう時は決まって自分の瞳の色である、青と言われてきた自らの人生にとって意外な答えだった。
そして、夕焼け色はあんたもだよ、と思った。
でも意味は違う。
辺り一面をその色で包み込んでしまうのに、もうすぐ沈んでしまう儚さを併せ持つ。