NoName

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8/6/2025, 3:56:19 AM

泡になりたい


人魚姫みたいに綺麗に消えたい?
海とひとつに?

無理だよ

人間だもん

ドロドロになって泡にウジが浮いて
床のシミになって消えてく

多分、あと何年後か

8/5/2025, 5:00:50 AM

ただいま、夏。


緑の風が吹く
山と海に挟まれたカーブした道路

エアコンなんて消して
窓全開の車内

隣の声さえ聞こえない風が吹き込む

そんなんだから二人の間に会話なんてなりたたず
そらなのに二人して何が楽しいのか
ひたすら笑ってた

君が一際大きな声で叫ぶ

ただいま!!!夏!!!

8/4/2025, 12:14:41 AM

ぬるい炭酸と無口な君


8/2/2025, 1:55:47 PM

波にさらわれた手紙


そっと砂浜に置いたルーズリーフの切れ端
波が迫る
波が引いていく

私はそんな攻防を半日
降りたんだ膝にほおのせて
ただ眺めていた

攫って、
攫わないで

絶対に届かないから
そこに書いた本音

「私は、あなたが、あなたを」

8/1/2025, 3:49:46 PM

8月、君に会いたい


暑い、暑い夏の日。
蝉の鳴き声が全方位から僕を取り囲んで。

うるさくて暑くて煩わしくて。

今思えば、あの頃の「暑い」なんて
全然序の口だったんだけど。

それでも、思い出すと僕にとってはあの日々は
暑い夏の日だった。

新幹線で二時間、電車で一時間、そこから車で三十分。
数年ぶりに訪れたばぁちゃん家。

小学校低学年から中学生へと成長した僕。
親友だと誓った君は綺麗になっていた。

また川へ泳ぎに行ったり
山で飽きるほど散策したり。

そんなことを楽しみにしていたのだけれど。

君は綺麗になってしまっていた。

大声で笑い合った君はもういなくて、
儚げに微笑む君。

友愛は消え、芽生えた心。

川のせせらぎを眺め、
山で風を感じ、無言でも二人で夏を過ごした。

それからまた何年経っただろう。
人並みに就職し、人並みに結婚もした。
幸せだ。

なのに、どうしてだろう。
8月が来るたびに、
君に会いたいたくて、
仕方がなくなるんだ。

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