楽園
週末のこの時間
小さいけど気に入ってる枯木風の机と
安物の座椅子
横にはトースター
円形100cmのラグの中
炙ったあたりめと
きりっと冷やした安物の日本酒があれば
勝ち確
かわいい動物たちの動画をひたすら
スワイプ!スワイプ!スワイプ!
あー……ここが楽園かぁ
あれ、もう日曜の夜?!
あー……楽園の終わりかぁ
風に乗って
風に乗って、けぶる塩味と旨みのまじった香りが鼻にふわりと届く
会社の外階段から地上へ降り立てば
先ほどまで赤く染まったコンクリートは色をなくし濃い青
近くに食堂なんてあったっけ……
働かない頭で駐車場までなんとか辿り着き車に乗り込む
ガソリン代が急高騰
エアコンは勿体無いので、窓を開けながら
柔らかく冷たい風を受けて田舎道をひた走る
風に乗って、青草の香りがする
初夏の香りだ
昼間なら緑に光、牧草地は影に包まれ
少し不気味にすら感じるけど
香りは青々として爽やかそのもの
鼻歌を一つ
あしたも生きる
なんにもないけど
なんにもないから
歌声は、風に乗ってどこかへ届くだろうか
刹那
あの日、君と一緒に飲んだ
ラテアートなんて洒落たもんもなく
なんの特別もないカフェラテ
白くふわりとしたマーブルのうずが
ぷかぷかと浮いていた
くるくるとそのうずは残ったまま
飽きることなくお互いの「好き」を話し続けた
昼の青から、
夕方の橙、
帷の紺
泡はぷちぷちと耳に拾えない音で
消えていっていたことに
気がつかないままに
長い時間を過ごしたはずのそれは
あっという間に
机のカフェラテは白を少し残して
消えていた
生きる意味
ありふれた言葉だけど
生きる意味なんかきっとない
吸って吐き出される空気のように
当たり前にあるだけだから
善悪
これ、貴方が好きだと思って
これ、貴方の為を思って
これ、貴方に必要ないと思って
世界が決めるんじゃない
貴方にとっての良いか悪いかは
私が決めてあげるから
貴方は何も考えなくていいの
ほら、とっても楽ちん