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7/8/2025, 1:16:45 PM

あの日の景色


あの日の景色を忘れない
真っ赤な夕暮れで
紅く紅く
でもそれは決して毒々しくはなく
泣きたくなるような美しい夕空だった

貴方の血潮を吸い上げでしまったかのように

きれい、そう溢れた言葉に
私は泣いた
貴方がいる空は
最後の眩しい一線を残して
宵闇を連れきた

7/7/2025, 11:05:42 AM

願い事


笹の葉が揺れるあの歌
歌ってたあの頃
何にでもなれるって思ってた

アイドル?
ケーキ屋さん?
漫画家?
お花屋さん?

気がつけばレールの上に乗って
私、何がしたかったんだっけ
私、何が好きだったんだっけ
いつの間にか埋没していって

今日ってなんの日?
久々に見上げた空に

それでも星は輝いてる
だから願ってみた

「私が私になれますように」

7/6/2025, 10:51:25 AM

空恋


さっき、全部流したの

特別綺麗でもない、
道の脇の側溝に

ドロドロに詰まり切った恋にお似合いの
溝(ドブ)に捨ててやった

これで綺麗な私になれる
空っぽになった心
まだちょっとヘドロがこびりついてるけど
一回すすげば綺麗になるはず

軽い軽い
体が軽い

今ならあの夕暮れの
茜色の布団の中へ行けそう
きっと気持ちいいだろうな

空っぽになったはずなのに、
綺麗な夕空を見たら
視界が霞んで
涙が溢れて
苦しくて苦しくて仕方ない

私は空っぽになったはずなのに

7/6/2025, 12:56:30 AM

波音に耳を澄ませて


絶え間なく続く
静かに引いては打ち寄せる波音

私はそれを枕を抱えて
ただ聞いている

この音は永遠
人に一時の、なんて、短い

海は世界を繋いでるから

私は音を聞いて
震えるだけ

7/5/2025, 12:10:56 AM

青い風


私と貴方の間に風が吹く
一緒に歩いてるわけじゃない

学校から同じ駅に向かってるだけ
帰るタイミングが同じだっただけ
勝手にこれ以上風の通る道を広げないように
歩調を合わせてるだけ

でも縮まらないように
振り向かれないように

柔らかく少し温まってきた風が吹く
私は足を止めて
風の道が広がる

広がって
広がって

ただ青い風が吹く

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