紙月

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3/1/2025, 8:52:07 PM

こないだ見た夢だ。

大学生活を謳歌し、暇を持て余している僕が見るには、
あまりに想像力豊かな夢だったように思う。

〜〜〜
それは深い森の中だった。
鬱蒼と生い茂る雑草を掻き分け、僕は当てもなく進んでいた。
草たちはお化け屋敷の小道具のように薄気味悪く肌に触り、木たちは迷惑そうな様子でこちらを見ていた。

なぜ僕がこんな目に遭わないといけないのか。
なぜみんなそんな顔をするのか。

僕だけが世界から、宇宙から切り離された感覚だった。
森の中にいても、目には見えないが、そこには確かに壁があった。

僕はその壁を壊そうと叩きまくった。
何度も何度も叩き、砕けた破片が拳に刺さって、透明な血を流した。

それは暖かな涙だった。
涙そのまま僕の体を伝い、溶けた雪のように地面に染み込んだ。

すると小さな芽がでた。
とても小さいが、これから大きくなることを予感させる力強い芽だ。

その芽は段々と成長し、大木となった。
そしてその大木を中心に森は、よくあるような自然な森へと変わった。

もう薄気味悪い草も、迷惑そうな木もいない。
みんなそこに存在していて、僕はその息遣いを感じることができた。

僕は深呼吸をした。
木々の間を通り、草の匂いを運ぶ風のように。
〜〜〜

そこで僕は目を覚ました。
なんかよくわならない夢だったなあ、、

外では、葉がさらさらと音を立てて揺れていた。

ああ、もうすぐ春か。
芽吹きのときだ。

1/25/2025, 9:35:59 PM

終わらない物語


タロットカードの13枚目『死』。
嫌な意味を連想するこのカードには
「変化」という意味もある。

「終わった、、」と思う瞬間。
何かが死に絶えるが、それによって変化が起こる。

その後、物語は終わってしまうのだろうか。
新しい章を始めるためのエピローグではないのか。

物語を終えてしまうかどうかは自分次第。
新しい章を想像し、いい終わり方にしようとするのも
自分次第だ。

物語は終わらない。
例え、物理的に死んでしまったとしても、
それを観測した誰かが紡ぎ続ける。

本を書き、本棚を埋め、図書館を建てるまで。
アカシックレコードもこんな感じなのかもね。



1/16/2025, 4:10:15 PM

人は透明な涙を流すことができる。

しかし、人も自分もそれに気づくことは少ない。

多くの場合、それは知らず知らずのうちに流れている。

人知れず降り、静かに溶ける雪のように。

その溶けた雪は、心のような空模様を映し出すのだ。


嫌なことを言われても空気を読み、愛想笑いしてる時。

ダメと分かっていながら、自分を止められない時。

生きるために、自分を傷つける時。

その涙は、確かに流れている。

傷を癒すように、そっと優しく。


透明な涙に気づくには、より多くの色を与えてやる必要がある。

色は世界中にある。

自分の心にも、相手の心にもある。

自分に合う色を探し、透明な涙と一緒に流すこと。

虹はそうやって見つけるのだ。












1/15/2025, 12:24:41 PM

静寂が包む夜の街路

ふと目を瞑ると頬を撫でる優しい風を感じる

星空の囁きのような美しいその風は

たくさんの匂いを運んでいる

どこかの家のお風呂の匂い

賑わってきた居酒屋の匂い

美味しそうに吸われている煙草の匂い

そして目を瞑る時に溢れた、私の涙の匂い

この風は今日も人の想いを纏う

それは巡り巡って、あなたのもとへ

1/14/2025, 4:34:30 PM

前から歩いてくる人とぶつからないように、「そっと」ずれてみる。
後ろの人が見えるように、「そっと」座る位置を変えてみる。
左の人が濡れないように、「そっと」傘を傾ける。
右に座ってラーメンを食べている人が左利きなので、「そっと」自分も左手で食べてみる。

この世界はそんな「そっと」で溢れている。
綺麗な自己満足の、綺麗な偽善。

時には「何で私だけが気を遣わなければいけないの」とイライラすることもあるかもしれない。
そんな時は夜空を見上げてみよう。
「そっと」月が輝いているから。


ーそっと

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