∮月に願いを
平安の時代、人々は今よりも遙か澄みわたる夜空を見上げ詩を詠んだ。
天の川でさえも燦爛と輝いて見えるだろう空へ
人々は月を謳った。
その当時に生きる者にとって月とは、
夜を照らす希望であり
別れを告げる余韻であり
共に空を仰ぎみる道導であった。
星に願いを祈る私たちは、月を見ているようで視れていなかったのかもしれない
何時だって月は、太陽よりも傍で私たちを見守っている
星を探して見上げる前に
お天道様に見られる前に
月に願いを
∮理想のあなた
理想ならいくらでも妄想を掻き立てたことがあった
まずは、勉強もスポーツもできる。
その〝できる〟になるまでに努力を重ねられる。
現実から目を背けずに真っ向から立ち向かう。
そしてその勇気が報われて実を結ぶ未来。
どれも叶わずにいる今が、どうしようもなく虚しい
手を伸ばせば届きそうなのにな
ねえ、理想の自分へ
あなたの見る景色はどれほど輝いてるの?
私もそこに辿り着けるかな
返事はない。その代わり、微かな希望を胸に抱いてる、
ありのままの自分が居た
∮真夜中
昔はあんなに苦手だった夜の暗さが、いつから味方になったのだろう。
今ではすっかり真夜中の虜になってしまった
目が覚めて眠れない時、丑三つ刻に至福の珈琲を1杯。
ふと、昔のことを思い出す
キャンドルの灯火を眺めながらぼんやりとしていたあの時と今で、何か変わったのだろうか
季節は移ろい、気持ちも虚ろう
真夜中の黒が思考を塗りつぶしてくれる夜は考え事に最適だ
夜は更けていく。
∮桜散る
桜の花びらが散るさまはよく、儚い表現で使われる。
春の、四季の中でわずかな時間だけ
日本を象徴して咲き誇り花弁を落とす
いつから梅の花から桜へと移り変わったのだろう。
ただ、梅はこぼれてしまうけど
桜は自ら舞い散るように見えるから
人は桜の散り方に心を、気持ちを込めるのかなと思う
一言で言っちゃえば
どんな終わり方が好みだったかなんだろうな
個人的には葉桜が好きだから
私にとって桜が散るのは始まり・再出発
皆さまにとっての桜はどんな意味がありますか
∮特別な存在
家族。