∮時計の針
どこにでも溢れているような夜。
その日は何となく気怠くて、思考がまとまらなくて。
だからだろうか
何時もは気にもしない時計の音が頭の中で響いていた
チクタク、チクタク、チクタク、TiCTAC‥‥
「五月蝿い」
思わず時計を手に取り秒針を引き抜いた
一定のリズムを刻んでいたはずのそれは、私の手にすんなりと収まっている
辺りに静けさが戻っていた。
唐突に私は怖くなった
どうしようもなくなって、手を時計に伸ばす
そして、また秒針がチクタク、チクタクと音を奏でるようになった
嗚呼、今になって気付く
私は、無音が、嫌でも記憶を思い出させる静けさが苦手なんだと。
それ以来、その時計は今でも私の部屋で時を刻んでいる
∮美しい
みんな思い浮かべてるって信じてる。
「生きろ、そなたは美しい」
∮夢を見てたい
目の前が真っ暗になって、どうしようもなくなるとき
自分が明日を生きている夢が見たい
辛いこととか、全部抱えて生きるのは嫌だけど
ちゃんと明日を生きていける力をください
なんて言って、そんな力到底もらえそうにないから
今日に明日の夢を見ていたい
∮幸せとは
愛されているのを自覚できる事。
自分が自分でいられる事。
誰かを愛せる事。
心から、自分を好きになれる事。
幸せになりたいよ
∮プレゼント
クリスマスパーティーでプレゼント交換をしようと誰かが言い出して、予算千円でなにか買うことになった。
「どうしよ‥‥」
女子力の高い友だちはきっとおしゃれなものを用意するだろうし
ネタに走るにはセンスも持ち合わせてない
「あ、」
そんなこんなで迷ってたら目の前にある宮沢賢治グッズ
(誰だって、ほんとうにいいことをしたら、いちばん幸なんだねえ。)
なんとなく、何気なく見ただけのその台詞がなんだか離れなくて
その衝動のままプレゼントとして買ってしまった
ネタと言われればそうなんだけど、私は何処か違う感覚を纏っていた
きっと、私はあの問いを思い出したからだとおもう
(けれどもほんとうの幸いは一体何だろう。)
#日記 #実話