『 子供のように』
わがままを言っても、叶わない。
どれだけ泣いても変わらない。
手を合わせてお願いする。
どれだけ願ったって叶わない。
そんなこと忘れてひたすらお願いするの。
天国に行ってしまったお母さん。
わたし、辛い。
死にたい。
消えてしまいたい。
目頭がカッと熱くなり、涙が出てくる。
わたしってこんなに子供だったっけ。
今日もひとり、空の下で駄々をこねる。
お願いだから戻ってきて......。
『 涙の理由』
なんでそんなちっちゃなことで泣いてるの!!
母が私に怒鳴った言葉。
私も泣いている意味なんて分からない。
時間が無駄にすぎていき、泣いている自分が情けなく、嫌いになる。
私も望んで泣いているわけじゃない。
なのに、抑えられない。
いつの間にか目に涙が溢れて止まらない。
自分は恵まれていて、不自由なんてないのに、何もかもが辛く感じてしまうの。
きっと、私は人生の使い方を間違っているんだな。
ずっとそう思っていた。
なのにあなたは言った。
泣けばいいよ、溜めたら心に悪いから。
泣いたら次の涙まで進めばいいよ。
あなたの言った通りにやったら、人生の生き方が正しいと感じれた。
涙に理由なんていらないんだ。
『 開けないLINE』
ピコンッ
誰からかのLINE。
通知を見ると、あまり見ない名前が書かれている。
私の好きな人。
内容を早く見たくてうずうずしてる自分と、
直ぐに既読をつけてしまっていいのかと、
迷っている自分がいる。
数分後、LINEを開く。
そこには、何も送られてきていなかった。
「送信取り消ししました。」
その文字だけが残り、私の心臓をドクドクさせる。
あーも、いや。
恋愛って難しい。
『 鏡』
鏡をじっと見つめる。
どれだけ見ても変わらない醜い顔。
泣いている時も笑っている時も、そのままの私を映し出す......
はずなのに、どこか作り笑いのような、瞳の奥が暗い。
なんで。。
こんなにも頑張って笑っているのに。
なんで上手に笑えないの。
不思議と虚しさが心の中に積もり、散らばる。
泣いていいなんて言葉は嘘で固められたもの。
1粒でも流してしまえば、弱くなってしまう。
辛くなってしまう。
バレないように必死に笑顔を作ってきたのに。
鏡の中に映る私は、心の中の私だった。
『 いつまでも捨てられないもの』
ごみ箱の前に持っていってわ迷う。
父の手紙。
父は私には興味がなく、いつも放っとかれていた。
話なんて続く訳もなく、家がいつの間にか落ち着かない場所になっていた。
父の言葉なんて一言も信じたことがない。
そんな人が亡くなる前に残した手紙。
ほんとうはこの世でいちばん愛している。
こんな父ですまなかった。
涙の染みた跡とともに書かれていた。
絶対うそだ。
綺麗事を言うんじゃない。
そう思い、ごみ箱の前に立つ。
でも、母がいない私。
どこにも信じられるものがなく、1人孤独に生きてきた。
心の底で、この言葉に縋りたいと思う私がいたんだ。
決心なんて言葉がないように、いつまでも捨てられない。
死ぬまでダメなんだ。