星を追いかけて
僕の目の前にある一粒の
この大きな光はなんだろう
近くに行くと熱いのだけれど
見ていてとても心躍る
暗闇で一際目立つそれに
僕は触る
すごく熱い
想像を絶するほどに
僕の手も体も
先までの肌では無くなり
一つの粒は
細かな砂になり消えた
あまりの痛さと光が消えたことで
僕は悲しみで目を閉じる
暗闇から光が消えることは
こんなにも大きく
僕に消失感を生んだ
飛べ
みんな飛ぶ
わたしだけ飛ばない
わたしにだけ風が吹かないから
みんなは軽くて
わたしは重いから
いいなあ
羨ましいなあ
わたしも飛びたい
飛べるよ
飛べないよ
みんなと同じくやってるのに
わたしだけできないもの
わたしが重くて
風が吹かないから
風ならとっくに吹いてるよ
みんな飛ぶのに夢中で
あなたに教えられなかっただけ
なにそれ
なんで誰も教えてくれなかったの
飛ぶのに必死なの
あなたが夢見るほど幸せではないの
でも飛びたい
じゃああなたのその
重しを外して
外したくない
なんで?
本当はわかってたのかも
みんなをずっと見てたから
でも違う可能性があることを信じたかった
また重しが増えたね
教えてあげる
あなたに必要なのは
風を知ることじゃない
重しを外す勇気
重しを外しても飛べるかな
飛べ
special day
今日は誰かの誕生日
でも私の誕生日じゃない日
それでも誰かの誕生日
誰かが生まれた日
誰かが生まれる日
誰かと誰かが出会った日
誰かと誰かが別れた日
毎日がいつもと違う特別な日
この日が特別な日
毎日が特別な日
全部まとめて特別な日
揺れる木陰
石畳が続く森の入口。
立派に生えているいく本もの木の
自由に生きている葉っぱたちの隙間から
まばらな暖かな光が差し込む。
自由な子供たちは
隙間から光をもたらすだけでなく
満たされるような風と
誰かを隠してくれる陰になる。
暗い緑は
ただの闇ではなくなり
生命を惹き込む
魅力ある入口になる。
真昼の夢
じわりじわりと
私の首筋に汗が伝う。
私は炎天下の中
道の真ん中に立っていた。
とある田舎の
バスが一日数本と
作りが浅いトタンのバス停。
なぜあるのか分からない
キリストの教え。
生き物は人間より
カエルやタヌキがよく顔を出す。
痛々しい日差しが肌を突き刺し
水っ気が苦しめる
まるで本当にそこにいるようで。
しかし私は気づいている。
これは夢だと。
夢なら夢らしく
私の望む世界になってほしいものなのに
都合の悪いレム睡眠であることに
苛立ちが苛立ちを呼び
さらに体温を高める。
道の遠くは
私が知っているより遠く
蜃気楼なのか
夢だからなのか
ぼんやりしている。
日差しが槍になり降りかかる。
水っ気が手となり私を包む。
そこから逃がさないように。