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8/3/2023, 2:26:38 PM

恋人が目覚めなくなった。

私の恋人は私の犠牲となった。
犠牲というのはやめておく。
もう彼が死んでしまったように聞こえるから。
だが、私のせいで彼が目覚めることができない。
早く彼の優しい声を聞きたい。
彼の笑顔を見たい。
彼の笑い声が聞きたい。

彼と話したい。

彼が目覚めたとき、安心して過ごせるよう。
彼が寝ている間にしなければならないことがある。
それは彼を轢いた犯人を見つけること。
そして、殺すこと。
怖いことを言っていると自分でも気づいている。
でも、しなきゃ彼は安心して寝ることだってできない。
犯人を探している間に、
私は、あることを知ってしまった。

私には、1000万の賞金がかかっていることを。

だから、私を一直線に狙って轢いて来たんだね。
私はこのことを利用して犯人を捕まえる。
彼が安心して暮らせるように。

タイムリミットは

彼の

【目が覚めるまでに】#4

8/2/2023, 12:33:02 PM

私には、昔に植え付けられた
“トラウマ”がある。
今でも克服することができていない。

私は、小さい頃からドジだった。
それもありえないくらいの。
絆創膏や湿布で済めばいいほう。
包帯を巻くこと、骨折は日常茶飯事だった。
病院の先生は私の名前を聞くと、

「また貴方?」

と言うようになるほどだった。
怪我の理由を聞いても笑わない、私の唯一の相手。
そろそろ呆れられそうだけど。

これは、中学1年生の話。
これくらいになると、怪我の数は減ってきた。
だが、1回1回の怪我がどんどん重くなってきた。
私はいつもの病院の先生に
「貴方はいつでも注意散漫なのよ。」
そういわれた。
でも、意識しても今まで何も変わってこなかった。
どうすれば、怪我が減るだろうか。

ーーそんなことを考えていたら

「危ないッッ!」

は?

この日、私は先生に呼ばれていた。
以前骨折をしてしまったから。
その途中、車に轢かれた。
轢かれたのは、

私の通院に付き合ってくれた恋人だ。

庇われたんだ。
やっぱり、私は注意散漫だ。

骨折を何度もしているから、
あの個室には慣れているつもりだった。
だけど、恋人のにはいつまで経っても
入れなかった。入りたいのに、入れない。
恋人の無事を確認したい。

あれから私は、もう怪我をしないと誓った。
死ぬまで病気にも、怪我もしない。

もうあそこには入りたくないから。

【病室】#3

8/1/2023, 11:06:04 AM

「私ね、好きな人がいるんだ。」
今日、私は友達にそのことを明かした。
今まで友達に明かしていなかった理由は、
過去に、何っ回もバラされた経験があるからだ。
明かすことができたのは、
・友達を心から信用できたこと。
・私が勇敢だから。
この2つが主な理由だ。

友達はこの恋を応援してくれた。
心から応援してくれる感じ。
私にも“親友”ができたのだと
なんだか心がほっこりした。

「もうこの勢いで告白しちゃいなよ!」

友達はものすごいおせっかいだったみたい。
まったく“おせっかいと気遣いは紙一重”
だというのに。
でも、親友のこんな一面を知れて、またほっこりした。

だが、親友の言っていることも一理ある話だ。
私が、人を心から信用することなんて
今までにあっただろうか。
いや、ない。やっぱり、このまま勢いで……

「言っちゃいな!大丈夫!」

何を根拠に。と今までの私なら言っていた。
だが、今の私はひと味もふた味も違う。
親友の言葉は何故か安心感がある。
何故?いや、そういうものだ。と自分を納得させる。

「じゃあ。」

【明日、もし晴れたら】#2

8/1/2023, 4:25:57 AM

私はごくごく普通の女の子。
「都会に住みたい!」
「分かる〜!」
都会に憧れている普通の女の子。
「好きな人出来た!」
「マジ!?」
恋をしている普通の女の子。

私が“普通の女の子”を演じ始めたのは、小3から。
そこで私は何かを理解してしまった。
知らぬが仏とはこういうことか。
それから私は、いつも寝る前に考えている。
“この世界”について。

“死ぬ”ということについて。

いつも考えていても“この世界”のすべてを
理解することはできない。
私の中にはふとこんな考えが浮かんだ。

“この世界”で人生を楽しむことはできるのだろうか。

どうせ死ぬし、
どうせ死んだら記憶はなくなるし、
そんなことを。考えてしまった。
私は前世何していたのかもわからない。
前例がある。もう知ってしまっている。
友達との楽しい記憶も死んだら忘れてしまう。
恋人との楽しい記憶も死んだら忘れてしまう。

私って何なんだろ。

人と関わっても、楽しくても!
忘れてしまう。
それを知ってしまった私は。
人と関わることをやめた。

どうせ忘れてしまうならッ!
関わっても意味がない。

【だから、一人でいたい。】#1