3/21/2024, 6:27:38 PM
『二人ぼっち』
生返事しか返ってこない。私が忠告した事を忘れるくせに、他の人が言ったことは覚えている。小馬鹿にしながら、甲斐甲斐しく世話を焼く。何年経っても、あなたはミスした時の印象のまま、私を扱う。
こういう時、周りの世界が切り取られて、私とあなただけが取り残されたような気分になる。
今なら殺せる。
そう思う。心の底から。
今は世界が歪んでいる。蔑ろにされる私と、平気な顔をしているあなた。そして、私を支配したがるあなたと、あなたを憎む私だけしかいない。
でも、実際にはそうじゃない。
怒りで視野が狭まっているから、二人ぼっちになった気がしているだけ。
分かっている。
分かっているうちは、殺さない。
分からなくなったら?
その時は多分、私は私を辞めているから、躊躇いなく殺すだろう。開放感に胸を満たして、腕を振り抜き、血を纏わせ。恍惚とした笑顔で、あなたを肉にするための処理を施すだろう。
私は、「私」という正気が霧散するのを待っている。
その瞬間を支えに、二人ぼっちの世界を生きている。
3/6/2024, 6:11:33 PM
去っていく友人の背を見送って、膝から崩れ落ちた。
夕焼けに溶けていく彼女の髪は美しく、未来への希望で光り輝いていた。今しがた打ち捨てた私との友情など、きっともう、どうでも良い。
彼女との想い出は、鮮度を失い、私の胸を錆で満たしていくのだ。
彼女はそうならないだろうけど。
私を捨てたことも忘れて、悠然と明日を生きるはずだ。切り替えが早いから。記憶を美化しがちだから。そういう癖まで理解していたのに、私は上手く、彼女の友達をやれなかった。
嫌いきれない。
憎みきれない。
好きだった。
もう逢うことはない。