「ごめんね」
桜が咲き始める卒業式間際。
学校が離れてしまう、大切な親友と喧嘩をした。
わたしも悪かった。
でもあの子も悪かったの。お互い様。
あのとき、お互いに
「ごめんなさい。」
の一言を言えたらよかったね、
ごめんなさいの一言だけで、また仲直りできたのかもしれないのにね。
「半袖」
半袖を着るのはいつぶりだろうか。
傷まみれの手首を隠して暑い夏の中もパーカーで過ごした去年の夏。
でもあの頃の私と今のわたしは違う。
君に出会えてわたしは変われた。
傷なんて隠さなくていい。
ありのままの自分を愛してくれる人はたくさん居るんだから、
過去の自分も認めて生きていかないといけないから。
「降り止まない雨」
みんなの前では太陽のように輝く笑顔で笑う。
でも、心は土砂降りの降り止まない雨で、
なんとなく辛くて、なんとなく悲しい。
そんな毎日が楽しいような、苦しいような。
ふしぎな感情に心が揺さぶられる。
心も快晴くらいに晴れたらいいのに。
「あの頃のわたしへ」
なんで、こんな家に生まれてきちゃったの?
もっと良いお母さんのもとに生まれたらよかったのに。
今日もお母さん、仕事で帰ってこれなかった。
朝6時に家を出て夜中の1時とかに帰ってくる。
もう1ヶ月くらい顔をお互いに見てない。
母子家庭の私たちを養ってくれてるのは嬉しい。
でももっと触れ合う時間が欲しかったな。
「また明日」
蝉の声を背中にし夏の夕暮れの空の下でチャリを漕ぐ。
いつもと同じ場所で君とバイバイした。
「また明日!」
その一言が僕にくれた最後の言葉だった。
君は僕と別れた後、帰る途中に交通事故にあった。
夜には君の親から電話があって事故を知らせてくれ、今は落ち着いたけどまだ意識不明だそうだ。
一瞬、時が止まった。嘘だと思いたかったけどこれは紛れもなく現実だった。
それから1週間ほど経った。
学校までの足取りは重く、笑うことも喋ることも出来なかった。
ずっとずっと頭から君の事が離れない。
あの一言が頭になり続ける。
「また明日」
この言葉の重みが痛いほど分かり、また明日が来なかった事が悔しくてとても辛かった。
あのとき僕が引き止めればよかった。
少しでも時間稼ぎすればよかった。
色んな想いと共に後悔が溢れ出す。
君と、「また明日」の一言を言い合える日が来るのを待つばかりだ。