君の隣でずっと座っときたい。
君の隣にいるだけで幸せなのに。今はそれすら叶わない。君の隣に行くことはできないし、いつも見ていた君の整った横顔を見ることもできない。
よく小説なんかで、「君の隣でずっと笑っときたい。」なんて良くある言葉だ。隣にいるだけで幸せで涙が出そうなのに、笑顔を見たいなんてどんだけ贅沢な事なんだろう。僕もそんなわがまま言ったら君は叶えにきてくれるのかな。僕も連れて逝ってくれるのかな。
また君に会いたいな。
平穏な日常が崩れることの苦しみが君に分かるか?分からないから平気で人を傷つけれるんだろ。
あの頃は幸せだった。
でもその幸せは一瞬にして崩れた。
あれは1年前。母親が再婚した。最初は優しそうな顔の人で安心した。
その人と一緒に住むことになって1ヶ月後、なぜか僕はその人にストレス発散の道具として蹴られ、殴られ、叩かれた。
それを見ても母親は黙ったままだった。
家庭内暴力が酷いことを親友に相談したら、「お前と関わったら、俺も被害を受けるかもしれない。だから少し距離を置こう。」
ついに僕はひとりぼっちになった。
家族から捨てられ、友達にも裏切られた
きっと僕はこの世の中で一番の不幸ものだぁ
愛があれば平和なんて嘘だと思っていた。今は愛があれば平和なんて要らないと思う。
僕の恋人は少し変わっているけど、僕のことを凄く愛してくれる。暇さえあれば僕の体に傷をつけて「俺のもの♡」と喜んでいる。そんな君のことが最初は怖かった。いきなり殴ってくるし、切ってくる。でも最近では増えた傷を見つめてにやけが止まらなくなる。君に傷つけられるのが好きになって、自分から求めることもある。
そんな僕を見て、君はたまに涙を流してなんとも言えない表情で僕を見つめてくる。僕の頭の中は?でいっぱいだった。
ただでさえ混乱してるのに、君は目に涙を溜めて僕に抱きついて「ごめんな。」と何回も言っている。何に対して謝っているのかは分からない。でも僕は胸が締め付けられた。何か忘れている。何か違和感がある。
過ぎ去った日々はもう二度と戻ってこない。
君と一緒に帰った日々はもう二度と帰ってこない。そして君の笑顔が戻ってくることはもうない。
雲ひとつない朝。気分は最高と思いきや吐き気がした。胸騒ぎがする。
でも、僕はいつも通り君と一緒に学校に行く予定だった。待ち合わせ場所に行くといつも先にいるはずの君がいない。最初は寝坊でもしたのかと思って待っていた。でもあまりにも遅すぎる。そろそろ時間だから1人で学校に向かった。
いつもは笑顔で溢れているクラスが今日は何故か静かすぎる。クラスの人に何故静かなのか問いかける。
聞いてみると君は朝、待ち合わせ場所にくる途中に急いで仕事に向かっていた僕のお父さんの車にはねられたらしい。頭はぐちゃぐちゃに潰れて即死だそうだ。
想像しただけでまた吐き気がしてきた。
まだ君に好きの気持ちも伝えてないのに。
まだ君に抱きしめる事が出来てないのに。
先に逝かないでよ。
また一緒に学校行きたいし、伝えたい事いっぱいあるし、デートとかしたいし、寝落ち通話もしてみたい。
君としたい事、行きたいところいっぱいあるのに。こんなのずるいよ。
君を思い浮かべるだけで太陽にも負けないくらい輝く笑顔が出てきて、汗水流して頑張っている君が出てきて、悔しくて、嬉しくて、悲しくて子供みたいに泣きじゃくっている姿が出てきて。思い出しただけで涙がボロボロ溢れてくる。
君を守れなかった、君を救えなかったのが悔しい。君を殺したお父さんが憎らしい。いくら急いでいたとしても、君を殺したことは事実だ。それでもお父さんだって家族だ。恨む事ばできない。
意味のわからない感情の中、僕の心のように土砂降りの雨の中、僕は君の写真を握って外に飛び出していた。自分でもよく分からない。ただただ涙が止まらない。
気づいたら僕は君がはねられた場所にきた。花や、飲み物などが添えられている。
そんなもの目に止めず車が多い中、僕は車道に飛び出した。何故かは分からない。でもそうもしないと僕の心が持たない。息が詰まって仕方ない。
君はこんな僕でも許してくれるのかな。
お金より大事なものなんていくらでもある。
君たちはそれに気づいけてないだけ。
正直なところ、愛よりお金とかお金より愛よりとか。どうでもいい。
お金じゃ買えないものはたくさんある。
例えば、大切な人からもらった手紙。その手紙は大切な君の愛情がこもっていて、世界で一枚しかない手紙。
そして、大好きな君に抱きしめてもらったときの温もり。苦しいほど抱きしめてくれる痛さ。
君がくれる愛情や、 君の輝く笑顔。
これらは絶対にお金では買えない。なんなら買いたくもない。お金で買う「愛」なんて要らない。
お金より何千倍の価値がある。
だから世界に1人しかいない君を、君の笑顔をお金では買えない。
ゲーム機ぐらい、いくらでも買える。
本なんてくらい数百円で買える。
だけど、君はお金なんかじゃ買えない。
君の輝く笑顔、君の温もりはお金では買えない。
だからこそ君たちにはお金じゃ買えない、ほかの人にはない自分だけの人生を楽しんでほしい。