「お前が俺の唯一の希望だ。生きる意味なんだ。気持ち悪いだろ。」
ついに告白した。
そしたらあいつ、死のうとした。
よほど嫌だったのか。
それともあいつのことだから、「お前の苦悩終わらせてやんよ。」とか言うのだろうか。
「ごめん。ぜんぶ奪いたかったんだ。好きも希望も夢もぜんぶ。……嫌いなんかじゃないから。むしろ……」
そこまで言って黙ってしまった。
「……気持ち悪いから。これ以上は。」
「俺よりも?」
「うん。お前なんかよりずっと。」
「……だったらなんだよ。今更そんなことで嫌になれないようにしたのはお前だろ。」
「……それはそう。うん、そうだね。責任取らなきゃ。」
獲物を追い詰めるかのように一歩一歩。後退りしてしまいたい気持ちを押し殺して、その場に留まる。
「ねぇ、君のぜんぶを俺に頂戴。」
「何処か遠くの街へ行ってしまいたい。誰も私を知らない街へ。」
小説の主人公みたいだった。
「えっ……ええっ!?そんなに!?」
自分はそうではなかったようだ。
「うん。遠く、遠くに今すぐ飛ばされたい。」
「えぇ……桃鉄のぶっとびカードみたいだね……。」
ギャグ漫画の主人公ならいけるかも。
「だって……幸せすぎる。こんなこと現実に起きていいの?いいはずないわ、やっぱり夢……」
「夢じゃない!!!」
だから、
「顔、見せてよ。」
「なんでぇ……」
見たいからじゃダメ?
「見せてくれるまで何回でも、なんならここでずっと言うよ、好きって。」
太陽のような君に灼かれてしまいたいけど、灰になった僕を愛してくれるほど太陽は孤独じゃない。わかってる。
それでも唯一無二の君の光で、骨すら遺らないように、灼き尽くしてほしいと願ってしまう。
枯葉に似た虫がいると知った日から、落ち葉を踏んでバリッ!というとゾッとする。
今はしんどいと思うけど、楽しくやってるから安心して。
そんな甘い言葉を期待した。
死ぬ覚悟がないから生きている。そんな感じがよくわかった。
何年経っても自分は自分だ。
変われないことに気づけただけ、自分に何も期待しなくて済むから楽だ。
最初から、そうすればよかった。そうしていれば楽だった。
でもやっぱりちょっと、期待している。
そんな自分が一番嫌いだと、手紙にも書いてあった。
本当に変わらないな。