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「何処か遠くの街へ行ってしまいたい。誰も私を知らない街へ。」

 小説の主人公みたいだった。

「えっ……ええっ!?そんなに!?」

 自分はそうではなかったようだ。

「うん。遠く、遠くに今すぐ飛ばされたい。」

「えぇ……桃鉄のぶっとびカードみたいだね……。」

 ギャグ漫画の主人公ならいけるかも。

「だって……幸せすぎる。こんなこと現実に起きていいの?いいはずないわ、やっぱり夢……」

「夢じゃない!!!」

 だから、

「顔、見せてよ。」

「なんでぇ……」

 見たいからじゃダメ?

「見せてくれるまで何回でも、なんならここでずっと言うよ、好きって。」

2/28/2024, 6:17:00 PM