『ところにより雨』
学級閉鎖もあって、僕らの卒業式は遅くなった。
随分と長くあっという間な学生生活が終わったんだ。
次の春からは仕事に就いたりさらに勉学に勤しんだり...
これからの道はバラバラになる。
泣いている人もいるが、
クラスメイトは晴れやかな顔をしている人が多い。
...友人はどうも心に陰りが見える。
今にも泣きそうにも見える。
そう思っているとこっそり教室を抜け出した。
後を追うと屋上前の階段の踊り場。
一人静かに泣いていた。
傘が無いから...一緒に濡れに行こうか。
屋上のドアを開けた。
語り部シルヴァ
『特別な存在』
君は特別な存在。
血は繋がって無いけど、家族。
いつも一緒にいてくれて、
帰ってきたらおかえりって言ってくれてる気がする。
いつも無口だけど、行動で教えてくれる。
一緒にご飯を食べる時はせっかちでいやしんぼ。
自分のを食べて私のを欲しがる。
ダメって言ってもわがまま。
そんな君が好きだ。
思い切り伸びをする君の頭を撫でると
にゃおんと返事をした。
語り部シルヴァ
『バカみたい』
暇だからと各SNSを見なきゃよかった。
返信も来ず既読も付かないから会話が続かない。
だからインスタで可愛い動物のショート動画でも見て
暇を潰そうと思ったら、君のショート動画が上がっていた。
可愛い手を添えたカフェの風景の一枚絵だった。
気にしていたのは私だけのようだ。
君の返信に一喜一憂して、
実際に会話できたらその日はラッキーだと思っていた。
私は眼中に無いってことらしい。
...もーいっか。お幸せに。
私はあなたにはお似合いじゃないみたいね。
語り部シルヴァ
『二人ぼっち』
クラスでイジメられている奴がいた。
1人のときを狙って話しかけると友達になってくれた。
表向きだと関わらないようにして、
裏でこっそり二人で仲良くしていた。
ある日そんな日常に耐えられなくなって、
イジメられている現場を止めに入った。
もちろん僕もターゲットに含まれた。
友達がイジメられている現場を
見て見ぬフリをするより苦じゃなかった。
ずっと一人だった日常に君が来てくれたから。
語り部シルヴァ
『夢が醒める前に』
憧れた世界があった。
全部を犠牲にして頑張った。
それでも不幸な目に遭った。
諦めざるを得なかった。
テレビで自分と同い年の子が頑張ってるのを見て自分は何をやってきたんだろうと思う。
イライラしてリモコンを床に放り投げたこともある。
夢が醒める前に叶えたかった。
これほど虚しい現実を突きつけられるなら、
いっそ楽にして欲しい。
そう言ったところで失った足は帰ってこない。
語り部シルヴァ