『たった一つの希望』
今日も怒られた。
今日もバカにされた。
今日も責任を押し付けられた。
今日もゲームが上手くなれなかった。
あんまり良い一日とは言えなかった。
けれど今日はマシだと思う。
もっと悪い日が数日前あった気がする。
確か...痴漢と間違えられたっけな。
まあそんなことはどうだっていい。
嫌なことがどれだけ起きようとも僕にはノーダメージだ。
...冷蔵庫で眠っているコーラ。
無機物は裏切らない。
これが帰って飲めるなら明日も元気に生きれるんだ。
キャップを捻って炭酸が逃げる音、
喉に刺激を与えながら爽快感を残していく味。
あぁ、やっぱり最高だ。
語り部シルヴァ
『欲望』
"欲が無い"なんてよく言われる。
色んな種類のお土産を貰った時は最後に余ったものでいいし、
ご飯もお腹が満たされればなんだっていい。
別段「これがいい。」と思うことがない。
でもどうしても譲れないって時は僕にもある。
"自分が助けたい時には
どんなに自分を犠牲にしてでも助けたい"って時。
偽善者や自己満足なんてこれまたよく言われるだろうか。
別に気にしないんだけど、
何もしてないよりかはマシだと思うから。
譲れない時は誰に邪魔されようが僕は自分のしたい時を貫く。
...やっぱり欲あると思うんだけどなあ。
隣でブランコに乗りながらたそれがれる友人は
沈み掛けの夕焼け空を見つめながら独り言を呟いていた。
語り部シルヴァ
『遠くの街へ』
最低限の着替えと入るだけ入れた食料。
手回し式の充電器に、ナイフに財布。
荷物を入れてる途中に昼に殴られた時の痛みが現れて
救急セットを入れ忘れたのを思い出した。
かなり押し込んだけど、全部なんとか入った。
大きな鞄を買っていて正解だった。
今夜はそこまで冷えないらしい。出るにはうってつけだ。
もう時期春が来るって言うのに全然楽しみじゃない。
それもこれもこんな家にいるせいだ。
新しいお父さんが来てから全部狂い始めた。
...どっか遠くへ行こう。
大人はみんな信じられないから、
これから一人でなんとかするんだ。
玄関から取ってきておいた靴を履いて窓から飛び出す。
"さようなら"。 振り向かずまっすぐ歩き始めた。
振り向くとこの家での思い出が足を止めようとするから。
語り部シルヴァ
『現実逃避』
目がシパシパする。
頭も軽くぐわんぐわんしてる気がする。
ちゃんと歩けるだけマシかもしれない。
やけ酒は普段するもんじゃないなとわかってはいたが、さすがに今日は限界だった。
上司に叱られ同期にバカにされ...
シラフでやっていける自信が無かった。
けれど...悪い酔い方をした気がする。
感情任せは良くないなあとひとり反省会をしつつ帰路を目指す。
お酒の力を借りても現実からは逃げられなかった。
でも...可能なら盛大に逃げたい。
はは、酔ってるねこりゃ。もうダメだ。
語り部シルヴァ
『君は今』
一足先に空いた席。
親の都合上、一足先に卒業してしまった君。
入学してから隣だったこともあって仲良くしてくれてそれからはずっと共に過ごした。
男同士だから話すことも沢山あった。
同じ人を好きになってライバルにもなった。
その後お互い振られて仲直りして...
君とはいわゆる"青春"を過ごしたんだろう。
入学した時に君が隣で良かった。
君は遠くへ行ってしまった。
あと少しで桜が咲き始めるかもしれない。
君は今、何をしているんだろう。
そっちの桜も綺麗になればいいね。
語り部シルヴァ