語り部シルヴァ

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『遠くの街へ』

最低限の着替えと入るだけ入れた食料。
手回し式の充電器に、ナイフに財布。
荷物を入れてる途中に昼に殴られた時の痛みが現れて
救急セットを入れ忘れたのを思い出した。

かなり押し込んだけど、全部なんとか入った。
大きな鞄を買っていて正解だった。

今夜はそこまで冷えないらしい。出るにはうってつけだ。
もう時期春が来るって言うのに全然楽しみじゃない。
それもこれもこんな家にいるせいだ。
新しいお父さんが来てから全部狂い始めた。

...どっか遠くへ行こう。
大人はみんな信じられないから、
これから一人でなんとかするんだ。

玄関から取ってきておいた靴を履いて窓から飛び出す。
"さようなら"。 振り向かずまっすぐ歩き始めた。
振り向くとこの家での思い出が足を止めようとするから。

語り部シルヴァ

2/28/2026, 10:20:03 AM