語り部シルヴァ

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2/6/2026, 11:09:37 AM

『時計の針』

ネジを巻けば進む。
秒針が音を鳴らし時間を刻む。
秒針が、短針が、長針が動くのをずっと見ていられる。
止まっているような自分の世界が動いているのが安心する。

まあ...私はその進む時間を無駄にしているんだけど...
スケルトン調の懐中時計が夕陽を透かしている。
時計越しから光る夕陽がなんだか虚しい。

今日は何やったっけ。何もしていないような気がする。
さっきまでの安心は不安に変わる。

あぁ、止まれ、止まれ。
そう願っても胸で秒を刻む鼓動は止まらない。

今日も、一日が終わった。

語り部シルヴァ

2/5/2026, 11:03:08 AM

『溢れる気持ち』

もう...もう限界だ。
毎日毎日絡んできて...
それでもこっちが話そうとすれば離れていく。
とか思えばそばにいて欲しい時にはそばにいる。

人の気も知らないで...
まあ...思いを吐き出せないこっちも悪いけど...

でも、そんなこと言ってる場合じゃない。
これ以上はこっちが持たない。

"明日話がある。校舎裏に朝イチ集合ね。"
明日決着をつけてやる。

思いを全部...溢れた気持ちをぶつけてやる。
覚悟しろ。

語り部シルヴァ

2/4/2026, 12:10:03 PM

『Kiss』

「んへへ。ちゅー。」
酔っ払った恋人はキス魔になる。
手で押しのけてもずっとキスしてくる。
ベタベタするまでキスしてくる。
そしてその内気分が悪くなってそのまま寝落ちする。

朝起きた時には何事も無かったように
先に起きてキリッとしている。
クール系なのに酔うとポンコツだ。
どうしてあんな酔いつぶれたのに
キリッとしてるのが不思議だ。
なんて思っていると寝起きにキスされた。

「おはよ。寝坊すけさん。」
昨日のキスとは違いあっさりしたキス。
それでも寝起きには強烈の一撃。

寒かった朝の寒気は恥ずかしさにかき消された。

語り部シルヴァ

2/2/2026, 10:44:18 AM

『勿忘草(わすれなぐさ)』

今年18歳になったがあまり乗り気じゃない。
幼馴染がついこの前交通事故で亡くなってしまった。
家族のように辛かった。
この先もずっと一緒に色んなことできるなんて浮かれていた。

今日は雨。学校に行く気力も沸かない...
どうせ残り1ヶ月を切ってる。親しい友人もいなかったし...別にいっか。

そう考えているとインターホンが鳴る。
親は出かけている。荷物が来るなんて話も無かったはず...

荷物...というより手紙のような封筒が届いた。
押し花の栞だった。確か...勿忘草だったっけか。

"近くの花がものすごく綺麗だったから押し花にして栞作ってみた。よく本読んでるから良かったら使って。"

花言葉は...多分知らずに作っただろうなあ。
視界が滲んで手紙の文字がちゃんと見えなくなっちゃった。

語り部シルヴァ

2/1/2026, 10:12:56 AM

『ブランコ』


こんな深夜でも星は輝いていて、
夜空に滲むように月明かりが照らす。
何もない田舎でも、こういうところは
胸を張って良い所だって言える。
帰省したときはいつもそう思う。
...逆にこれ以外にいい所が思いつかない。

一昨年に廃校になってしまった小学校まで散歩に来た。
こんな田舎に深夜に警備してる人なんていない。
そもそも校門なんて無いから侵入し放題だ。

広いグラウンドの隅に置かれたブランコに腰掛ける。
思ったより地面との距離が無く、
足を折り曲げると地面を擦ってしまう。

寒い中ブランコを漕ぐ。
鎖が鈍く軋む音を立てながら自分の体重を支えて前後に動く。

こんな時間に何をやっているんだろう。
小さい頃夢にみたことを実行した感想は...

大人になってしまったという絶望感と、
虚しさが残るだけだった。

語り部シルヴァ

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