語り部シルヴァ

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1/18/2026, 10:25:06 AM

『閉ざされた日記』

昔の箱が棚の奥底から転げ出てきた。
錠がついている...
部屋の隅々をくまなく探してみたが
合う鍵は見当たらなかった。
だから毎日整理整頓を心がけろとあれほど...
と頭の中のバカ真面目な自分が
叱責しながらも鍵を探すのを諦めた。

錠はかなり古臭そうだが壊せそうでもあった。
SNSでたまに見るライフハックを使い錠の破壊を試みる。
...錠は綺麗に壊れた。

中身は、"日記"と書かれた小さなメモ帳だ。

他の日記は片手に収まる程度のメモ帳に書き込んでいるのだが
この日記だけは厳重に保管されている...

兄は...何に怯えていたんだろうか。
死人に口なし。恐る恐るページをめくってみた。

語り部シルヴァ

1/17/2026, 11:29:25 AM

『風のいたずら』

今日は風が強い...
ベランダから身を出して風を全身で浴びる。
冷たく乾いた風が体の熱を根こそぎ奪っていく。
血の気が引くような感覚がむしろ心地よい...

風が強いせいか空には色んなものが中に舞っている。
タオル...パンツ...シャボン玉...
そして羽の生えた人...人?

少しフリーズしていると目が合ったのか羽の生えた人が
僕に語りかける。

「あのー!すみませーん!
少しの間お邪魔してもいいですかー!?」

口で答えるより体が動き手を差し伸べる。
僕の手を掴んだ人がベランダに不時着する。

今日僕は羽の生えた人と出会った。
風が強い日は色んなものが飛ぶんだな。

そんな呑気なことを
奇妙な日常の一端を視界に映しながら考えていた。

語り部シルヴァ

1/16/2026, 11:04:45 AM

『美しい』

今日は彼女と少し高めのディナー。
スーツはなれないが、格好ついているだろうか...
待ち合わせ15分前。
予定より早く着き、ショウケース越しに
身なりの確認をしていると彼女の声が聞こえた。

「おーい!お待たせ。」

.....!

「いやあ、ドレス思ったより手間取っちゃって...」

...

「でもお互い早くに着いたね。私も結構楽しみで早く来れてよかった。」

...

「ね。大丈夫?」

「あ、あぁ。ごめんごめん。
綺麗で見とれて声に出てなかったよ。」

なんて思ったの〜?とからかい気味に来る彼女を見て
幸せという2文字を早速味わえた気がした。

語り部シルヴァ

1/15/2026, 10:48:06 AM

『この世界は』

正月に盛り上がりを見せた商店街も
今はピンクや茶色で飾ったバレンタインデー特集をして
チョコやお菓子の材料をでかでかと並べている。

早い。スマホでタイマーを起動させ
時間の流れを確認してしまうくらいには早いと感じる。
バレンタインデーが終わったら次はひな祭りだろうか、
それが終わったらホワイトデー...

やっぱり早い気がする。
時を加速させるスタンドでもいるのだろうか...

それについて行く人間もおかしな話だ。
やれやれ...人間だけじゃなくて
この世界もせっかちにいつの間にかなっていたようだ。

語り部シルヴァ

1/14/2026, 11:33:28 AM

『どうして』

「な。なあ、その銃を降ろしてくれよ。」
冗談じゃない状況で無理に笑おうとして
口角が引きつっている。
その言葉に動じず銃を構える。

「俺の事そんな信用ないか?信じてくれよ。」
涙目になって必死に弁明する彼を見て沸き上がる怒りが
どんどん冷静になっていく。

「...じゃあ私のこと好き?」
「...!あ、あぁ!もちろんさ!好きだy」

答えを言い切る前に眉間と心臓両方を撃ち抜く。
「と"お"し"...て"...」
彼だったものは形を保てなくなって溶けていった。

彼は...自分のことは僕って言うし
外じゃ好きって言う勇気を持ってないチキン野郎だ。
彼はちゃんと生きているだろうか...

私ができることは偽物を撃ち抜いて本物に会うことだ。
あぁ...ドッペルゲンガーが大量発生なんて、
どうしてこうなったんだ。

語り部シルヴァ

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