『消えない灯り』
風に吹かれるようにゆらめき、
優しい明るさを絶やさず灯りは優しく部屋を照らす。
今はすごい時代になった。
ロウソクのような明かりを
ライトで表現出来るようになった。
おかげで電気さえあれば
消えることの無い優しい灯りを味わえる。
強いていえばロウソクのように
あったかいわけじゃないから、
厚着はしないといけないが...
それでも揺らめく灯りはずっと見ていられる。
灯りは、時間を止めたかのように
消えることなくずっと照らし続ける。
語り部シルヴァ
『きらめく街並み』
会社を出るといつもの風景。
行き交う車と人。半数がスーツを着て帰路の途中。
寒くなってマフラーや
モコモコした上着を着てる人が多くなった。
俺もそのひとり。
この時間になってくると居酒屋から
焼き鳥の香ばしい匂いが漂ってくる。
そんな誘惑に負けじと歩き進める。
もうすぐクリスマスで商店街やデパートは
装飾がきらびやかに...
都会は眠らない街なんてよく言う話だ。
ビルの明かりでさえもイルミネーションに見える。
早く帰ろう。
いつもの街並みに見とれてしまっては日が昇ってしまう。
けれど、クリスマス本番の賑やかさは少し楽しみだ。
語り部シルヴァ
『秘密の手紙』
先生が通り過ぎ背中が見えた瞬間にアイコンタクトで
サッとノートの切れ端を渡す。
ふざけた内容に思わず声が出そうになるも必死にこらえる。
次にチャンスまでに返事の内容を書き込みタイミングを待つ...
後で話せばいいだけなんだけど...どうしてか今したくなる。
先生に怒られるかもしれない。
けれどそれ以上にこの状況で話したくなる。
先生が通り過ぎた瞬間に手を伸ばす。
「こら。」
先生に怒られてしまった。
こうなってしまったら相手に悪いと思ってしまう。
それでもまたやりたくなるのはなぜだろうか。
相手も同じことを思ったのかアイコンタクトをとった。
語り部シルヴァ
『冬の足音』
強い風が吹く。
昨日まで平気だった風もより寒くなった。
寒さが増している。
12月になったんだ。秋の過ごしやすさなんてものは風に吹かれてどっか行ってしまった。
歩くと木枯らしが枯葉を乾いた音を立てて吹き飛ばす。
この音が余計に寒さを感じさせる気がする。
...明日はもっと厚着しよう。
肩を竦めてポケットに手を突っ込んで歩く。
枯葉と共に木枯らしに吹かれながら...
語り部シルヴァ
『贈り物の中身』
待ち合わせに遅れてしまったが、何とか着いた。
彼女に会う前に店のガラスで身なりを整えて...よし。
ごめん、待たせたね。
気さくに声をかけたが彼女は目を腫らして泣いた後だった。
遅刻したことで悲しませたか、焦ってごめんと改めて伝える。
けれど君は別の理由で泣いていた。
サプライズで美味しいと評判のクッキーを買っていたが
つまづいて落とし、通行人に踏まれてしまって
粉々になってしまったようだ。
話してくれながらまた泣きそうになる君。
君が用意してくれた粉々になってしまった
クッキーを食べてみる。
砂が混じってしまったのか少しジャリッとしたが、
美味しかった。
素敵なものを用意してくれてありがとう。
中身は仕方ないし、用意してくれたことが嬉しいんだ。
頭を優しく撫でる。
慰めようとしたつもりだったけど、
君は抑えきれなかった涙を流し、
結局僕は君を泣かしてしまった。
語り部シルヴァ