語り部シルヴァ

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11/28/2025, 11:39:15 AM

『霜降る朝』

今日の朝はやけに冷える。
コーヒーを飲もうとしたが昨日飲んだ分で
無くなってしまったのを思い出した。
幸い近くに自販機があった。少し厚着をして...よし。

外は冷凍庫に放り込まれたように寒い。
手がかじかみ服がひんやりしている。
さっさと自販機へ...

道の端っこに生えている雑草が凍っているように
霜がかかっている。
なるほど、そりゃ寒いわけだ。
ボタンを押すとガタンとどデカい音で
コーヒーが吐き出される。

あったかい。寒すぎて痛くなった指先が
じんわりと温められていく。
我慢できずに蓋を開けて飲む。
焼けるような熱さなはずなのにごくごく飲めそうだ。

寒い空間の中で暖が取れる幸福感は今でしか味わえない。
...ふぅ。温まった口から吐き出される息は真っ白で
青くなってきた空に消えていった。

語り部シルヴァ

11/27/2025, 10:29:07 AM

『心の深呼吸』

会場は冬の朝のようにしんとしているのに、
そんな中僕含めた選手の闘志が静かに燃え上がっている。
この時期には半袖は寒いな...
なんて思っていたがこんな闘志に燃やされる訳にはいかない。

逆に燃やしてやる。それくらいで行かないと負けてしまう。
もうすぐ僕たちの番だ。
一定のリズムでゆっくり深呼吸して...
この呼吸のペースをずっと続けよう。

「次のチームの方!準備をお願いします!」
呼ばれた。ついに僕たちの番だ。

僕たちならきっといつものモチベを出せる。
呼吸のリズムを保ちながら
弓と矢を構えて射場へと歩き始めた。

語り部シルヴァ

11/26/2025, 10:12:02 AM

『時を繋ぐ糸』

「あ...」
道着に着替えてる時にミサンガがちぎれた。
なんてタイミングだ...
ずっと身につけて劣化してしまったのか...

なんて考えていると仲間が背中を叩く。
「ちぎれたってことは願いが叶うってことじゃんか。
もう俺たち優勝間違いないな!」
少しデカい声で笑う。ほんといつもそうだ。
考えてる暇なんてあっという間に無くなる。

でも...そのおかげでここまで来れたのも事実だ。
「よし...頑張って優勝掴むぞー!」

このミサンガは俺たちが入部して初めての試合前に
全員が身につけたものだ。
これが最後の試合。あとは自分の力を出し尽くすだけだ。

弓と矢を持って会場へ向かった。

語り部シルヴァ

11/25/2025, 10:59:55 AM

『落ち葉の道』

赤や橙の葉も散るようになってきた。
近くの公園も葉を失ったからかどこか寂しい景色になった。
ただ代わりに地面が鮮やかになって、
カラフルなカーペットが出来上がっていた。
1本進む度に少し足が沈んではパリッと砕ける音を
葉が音を立てる。

さっき寂しい景色といったが、
今日は秋晴れなこともあってか
空がより広く見える。

今日は過ごしやすい天気だ。
もう少し散歩をするのも悪くないかもしれない。

行き先は決めてないが...
公園内は落ち葉の道に従って進むのも悪くないかもしれない。

語り部シルヴァ

11/24/2025, 10:10:03 AM

『君が隠した鍵』

「ただいま。」
いつもの癖で呟いてしまった。
ドアを閉めるとしんとした空気。
もう君はここにいないんだっけか。

ついさっきまで一緒にいたもんだからすごく違和感がある。
まあこんな気分になっていても仕方がないから
さっさと切り替えよう。
とりあえずコーヒーを飲むために電子ポッドに水を入れる。
...あれ。コーヒーはどこだっけか。
いつも君が調度良いタイミングで淹れてくれていたから
場所がわからない。

キッチンを漁っていると、鍵と手紙が置かれていた。
こんなところに...?
手紙には合鍵を返しておくのと
コーヒーの在処を教えてくれていた。
君はどこまで見据えていたんだろう。
コーヒーが完成して早速一口飲む。

...苦い。粉が多すぎたようだ。

語り部シルヴァ

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