語り部シルヴァ

Open App
10/24/2025, 10:41:43 AM

『秘密の箱』

オカルト研究部の僕らの部室には"あかずの箱"
と呼ばれる箱がある。
僕が入部した時から既に置かれていて先輩曰く
「部長が入部した時には既にあって、
先輩からも開けるなと釘を刺された」らしい。

実際人がいない時に興味本位で触ってみたが
開きそうになかった。
高い場所にあり椅子を使わないと届かない。
どこにでもありそうな缶のような箱。
取ってつけたような南京錠。開けるのは無理かもしれない。

だがこの前部長がその箱をいじっているのを見た。
部長は何か知っている...?
部長が帰ったあとにもう一度箱を調べてみた。
鍵がかかって...いなさそうだ。

恐る恐る開けようとすると部長の大きい声が部室内に響く。
「だめっ!!」
驚いた拍子に椅子から転げ落ちた。
なんとか怪我はなかったが、周りにお菓子が散らばっていた。

「...バレちゃったか。」
先輩は片手で顔を覆う。秘密の箱は甘い味で満たされていた。

語り部シルヴァ

10/23/2025, 10:32:56 AM

『無人島に行くならば』

"無人島に行くならば何を持っていく?"
似たような質問をどこかで聞いた事がある気がする。
だいたいの人は水だったりナイフだったり
日常的に必須な物をひとつ選ぶだろう。

僕ならなんて答えるかな...
色々あって迷ってしまう。

そうだな...僕もサバイバルナイフとかがいいかな。

なんで今思い出したんだろう。
目が覚めて一番最初に思ったことがこれだ。

漣の音、白い砂浜、知らない植物の山。
漂着してしまったようだ。

サバイバルナイフ...欲しかったなあ。
現実は残酷で何も持たないまま無人島サバイバルが始まった。

語り部シルヴァ

10/22/2025, 11:20:24 AM

『秋風🍂』

「さむっ」
急に吹き出す風がやたらと冷える。
少し前まで風よ吹けと願っていたのに
今じゃ止んでくれと願うばかり...

色褪せた枯葉が風に吹かれて乾いた音で地面を走る。
つま先から芯まで一気に冷やされるような風は
冬服の温かさを想起させる。

あー...あったかいココアが飲みたい。
そんなこと思いながら歩いていると自販機を見つけた。
持ち合わせがちょうどあったからココアを買う。

プルタブを開けた瞬間優しい甘さが鼻に届く。
早速一口...

じんわり体に広がる温もりを秋風が冷まして
またココアを飲む...
帰るまでにココアが無くなりそうだ。

ココアで暖を取りながら歩く。
枯葉が一枚、また一枚と秋風に吹かれながら
地面を走って僕を追い抜いた。

語り部シルヴァ

10/21/2025, 10:35:32 AM

『予感』

"話したいことがあるんだけど"
ニコニコしていた口角が下がっていく。
さっきまで胸らへんにあった暖かった感覚が一気に冷める。
今の時期のように熱が奪われていく気がした。

嫌な予感しかしない。

少し震える手で一文字一文字打ち込む。
"どうしたの?"
そう返信すると既読が付きすぐに通話画面へと切り替わる。

心臓が跳ねる。深呼吸を2、3回ほどして電話に出る。
「も、もしもし...?」

君の話を聞いてまた温度が逆転したのは別の話。

語り部シルヴァ

10/20/2025, 10:36:10 AM

『friends』

自慢じゃないが私には最高の友達がいる。
ゆうたろうは図体が大きいけど心優しい。
えんすけは足が早い人気者。
みやこは美人でみんな見惚れる。

みんな個性があってみんな大好きだ。
みんな優しくてみんなあたたかい。
みんなとずっと一緒に生きていきたい。

みんなを抱きしめる。
みんな逃げずに私のわがままを受け入れてくれる。
今日も一緒に部屋で日向ぼっこ。

明日も一緒。ずっと一緒。

語り部シルヴァ

Next