『秘密の箱』
オカルト研究部の僕らの部室には"あかずの箱"
と呼ばれる箱がある。
僕が入部した時から既に置かれていて先輩曰く
「部長が入部した時には既にあって、
先輩からも開けるなと釘を刺された」らしい。
実際人がいない時に興味本位で触ってみたが
開きそうになかった。
高い場所にあり椅子を使わないと届かない。
どこにでもありそうな缶のような箱。
取ってつけたような南京錠。開けるのは無理かもしれない。
だがこの前部長がその箱をいじっているのを見た。
部長は何か知っている...?
部長が帰ったあとにもう一度箱を調べてみた。
鍵がかかって...いなさそうだ。
恐る恐る開けようとすると部長の大きい声が部室内に響く。
「だめっ!!」
驚いた拍子に椅子から転げ落ちた。
なんとか怪我はなかったが、周りにお菓子が散らばっていた。
「...バレちゃったか。」
先輩は片手で顔を覆う。秘密の箱は甘い味で満たされていた。
語り部シルヴァ
10/24/2025, 10:41:43 AM