語り部シルヴァ

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10/23/2025, 10:32:56 AM

『無人島に行くならば』

"無人島に行くならば何を持っていく?"
似たような質問をどこかで聞いた事がある気がする。
だいたいの人は水だったりナイフだったり
日常的に必須な物をひとつ選ぶだろう。

僕ならなんて答えるかな...
色々あって迷ってしまう。

そうだな...僕もサバイバルナイフとかがいいかな。

なんで今思い出したんだろう。
目が覚めて一番最初に思ったことがこれだ。

漣の音、白い砂浜、知らない植物の山。
漂着してしまったようだ。

サバイバルナイフ...欲しかったなあ。
現実は残酷で何も持たないまま無人島サバイバルが始まった。

語り部シルヴァ

10/22/2025, 11:20:24 AM

『秋風🍂』

「さむっ」
急に吹き出す風がやたらと冷える。
少し前まで風よ吹けと願っていたのに
今じゃ止んでくれと願うばかり...

色褪せた枯葉が風に吹かれて乾いた音で地面を走る。
つま先から芯まで一気に冷やされるような風は
冬服の温かさを想起させる。

あー...あったかいココアが飲みたい。
そんなこと思いながら歩いていると自販機を見つけた。
持ち合わせがちょうどあったからココアを買う。

プルタブを開けた瞬間優しい甘さが鼻に届く。
早速一口...

じんわり体に広がる温もりを秋風が冷まして
またココアを飲む...
帰るまでにココアが無くなりそうだ。

ココアで暖を取りながら歩く。
枯葉が一枚、また一枚と秋風に吹かれながら
地面を走って僕を追い抜いた。

語り部シルヴァ

10/21/2025, 10:35:32 AM

『予感』

"話したいことがあるんだけど"
ニコニコしていた口角が下がっていく。
さっきまで胸らへんにあった暖かった感覚が一気に冷める。
今の時期のように熱が奪われていく気がした。

嫌な予感しかしない。

少し震える手で一文字一文字打ち込む。
"どうしたの?"
そう返信すると既読が付きすぐに通話画面へと切り替わる。

心臓が跳ねる。深呼吸を2、3回ほどして電話に出る。
「も、もしもし...?」

君の話を聞いてまた温度が逆転したのは別の話。

語り部シルヴァ

10/20/2025, 10:36:10 AM

『friends』

自慢じゃないが私には最高の友達がいる。
ゆうたろうは図体が大きいけど心優しい。
えんすけは足が早い人気者。
みやこは美人でみんな見惚れる。

みんな個性があってみんな大好きだ。
みんな優しくてみんなあたたかい。
みんなとずっと一緒に生きていきたい。

みんなを抱きしめる。
みんな逃げずに私のわがままを受け入れてくれる。
今日も一緒に部屋で日向ぼっこ。

明日も一緒。ずっと一緒。

語り部シルヴァ

10/19/2025, 10:45:41 AM

『君が紡ぐ歌』

「〜♩」
情に訴えかける歌詞、
それに感情をさらに上乗せするような静かで熱の篭った声。
前よりもファンが増えたのか
アップロードされたばっかりなのにコメントや
高評価数が増えてるような気がする。

順調そうだ。

だが予想通りコメント欄には
"〇〇じゃない気がする。"といくつか書かれている。
こういう時の勘が鋭い人は恐ろしい。

君は大丈夫だろうか。
音楽活動家だった兄を失い、
兄の名を名乗って意志を引き継ぐと決意していた君。

君の決意は歌となって世界に広がっていく。
きっと...いつかは君の歌となるだろうけど、
それが君が紡ぐ歌なんだ。

語り部シルヴァ

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