『青く深く』
ゆらゆらと揺れる空はどんどん濃い青色へと染まっていく。
ギラギラと光る太陽がぼやけていく。
静かだ。何もかもが波に飲まれ海が飲み込んでいったようだ。
息苦しいはずなのに不思議と心地よい。
海が自分の体をゆりかごの赤ちゃんのように
ゆっくりゆらゆら揺らされているからだろうか。
海面へ行かないと。
けど...暑いのはやだなあ。
ここはずっとひんやりしてて気持ちいい。
このまま...このまま...
海に体を預けて目を瞑ろうとするとつんざくようなアラームが聞こえたと思えば体をグイッと引っ張られた。
気がつけば滝のような汗が流れ
部屋がジャングルのような蒸し暑さに包まれていた。
暑苦しさに目が覚めたようでスマホで時間を確認する。
「...シャワー浴びなきゃ。」
今日も仕事だ。あの空間にずっといたかった。
語り部シルヴァ
『夏の気配』
窓を開けると熱気が入ってくる。
洗濯物がすぐ乾きそうだが
暑くなりすぎて汗も滲みそうな天気だ。
週間天気予報を見ても雨が降る様子は無さそうだ。
最近気がつけば梅雨が終わって夏がすぐそこまで来ている。
雨が嫌いな自分にとっては好都合だが
暑い日がずっと続くのもあまり好きじゃない。
しかもジメジメとした暑さがやってくるならなおのことだ。
そう思いながら布団を干す。
それだけで少し汗をかいてしまった。
ベランダから見る空は澄んだ青に大きな入道雲が
どっしりと構えている。
暑いな...6月ももうすぐ終わりだ。
語り部シルヴァ
『まだ見ぬ世界へ!』
ジュースにお菓子、夜更かしのモチベ◎。
明日は休み。せっかくだから推し活をしてる友人に
激推しされたアニメを見ることにした。
普段見ないジャンルなので吉と出るか凶と出るかわからない。
たかがアニメひとつで...なんて思うだろうがこのアニメに
ハマるかハマらないかで友人との会話が広がる可能性がある。
出来ればアニメにハマって
推し活のマシンガントークを聞きたい。
ドキドキまじりのワクワクで震える指で
スタートボタンを押した。
知らない世界の一歩を踏み出した。
語り部シルヴァ
『最後の声』
『俺、必ず帰ってくるから!』
『うん、私待ってる...!』
それが最後の電話になってしまった。
戦争が始まったこの国で兵に選ばれ、
勝って帰ってくると言った矢先に恋人が死んでしまった
と知らせを受けた。
まだ戦争中だっていうのに...
お互い生き延びてまた会おうって言ったのに...
もう生きる気力も失った...
恋人に会いに行ってもいいのかもしれない...
戦闘区域に手ぶらで突っ込もうとする。
『生きてくれ。俺の分まで幸せになるために...』
どこかから恋人の声が聞こえた気がした。
もう一度聞こうとしても激しい銃撃音が
飛び交う音しか聞こえなかった。
本当の最後の声を聞いた私は何としても生き残ってやる。
そう決意して安全な場所へと走り出した。
語り部シルヴァ
『小さな愛』
家にだれもいない状態。
部屋で二人きり。
このふたつが揃っていると彼女は俺の手を握ってくれる。
逆に言えばそれ以外だと会話すら成り立たない。
彼女はものすごく恥ずかしがり屋で学校で話す時も基本LINEを使って会話する。
目が合っても逸らすし授業で先生に当てられた時は一日分の体力を使って声を出す。
そんな彼女がとても愛らしい。
きっとみんなにいえば
「愛がない」と言う人も少なからずいるだろうけど...
そんな恥ずかしがり屋の彼女が手を握ってくれることがどれだけ愛があることか...
そんな考え事をしながら手を握ってくれる彼女を見つめる。
赤かった顔はさらに赤くなって手の握る力が強くなる。
けど決して繋がったこの手は離れることはなさそう。
小さな愛?違うね。彼女なりの最大限の愛情表現だ。
語り部シルヴァ