『青く深く』
ゆらゆらと揺れる空はどんどん濃い青色へと染まっていく。
ギラギラと光る太陽がぼやけていく。
静かだ。何もかもが波に飲まれ海が飲み込んでいったようだ。
息苦しいはずなのに不思議と心地よい。
海が自分の体をゆりかごの赤ちゃんのように
ゆっくりゆらゆら揺らされているからだろうか。
海面へ行かないと。
けど...暑いのはやだなあ。
ここはずっとひんやりしてて気持ちいい。
このまま...このまま...
海に体を預けて目を瞑ろうとするとつんざくようなアラームが聞こえたと思えば体をグイッと引っ張られた。
気がつけば滝のような汗が流れ
部屋がジャングルのような蒸し暑さに包まれていた。
暑苦しさに目が覚めたようでスマホで時間を確認する。
「...シャワー浴びなきゃ。」
今日も仕事だ。あの空間にずっといたかった。
語り部シルヴァ
6/29/2025, 10:12:57 AM