窓から見える景色
住宅街を右から左へ、
一面の海を右から左へ、
トンネルの暗闇を右から左へ...
電車はどんどんと景色を置いて進む。
電車から見える景色は新鮮で
同じ景色が続かないから飽きない。
それも柔らかいソファのような座り心地な座席に
座って見れるのだから贅沢もいいところだ。
なんとなく行きたいところを決めて
特急券を買って向かってる途中。
さて、着いたら何をしてどこへ行こうか。
やりたいことを考えながら見る景色はとても輝いて見える。
この電車は目的の駅まではノンストップだ。
到着までこの車窓から見れる流れていく景色を
楽しもうじゃないか。
語り部シルヴァ
形の無いもの
形の無いものっていえばだいたいは
"心"を思うかべるんじゃないかな。
辛い時は心臓じゃなくて心が痛む。
嬉しい時も心臓じゃなくて心が跳ねる。
心って心臓のようで違う。
僕らの感情を表すためのもの。
ハートの形をイメージしてるかもしれないけど、
結局は形すらない不思議なもの...
それでも僕たち人間や犬や猫、花やロボット...
全ての者には心がある。
なぜそう言い切れるかって?
僕たちの言葉は基本的には人間以外には理解されない。
でも犬や猫に寄り添えば信頼してくれる。
ロボットに優しくすればロボットは温もりを感じる。
それってみんなに"心"があるからじゃないかな...
なんて思うよ。
...大っぴらに言うのは恥ずかしいから言えないけど。
そう言って君は頬を赤らめる。
そんな話を聞いたせいか、心が暑くなった気がした。
語り部シルヴァ
ジャングルジム
足をいちばん高いところにかけそのまま足でぶら下がる。
青い大地と砂利の空が視界いっぱいに広がる。
いい天気といい気温でこのまま寝れそうなくらいだ。
みんなと遊んだりするのもいいけど、
こうやって寝そうで寝ない時間が好きだ。
ジャングルジムは柵の間隔が絶妙で
いい感じに寝れそうなくらいなのが好きだ。
ジャングルジムは僕のお気に入りかもしれない。
たまーに低学年の子が遊んでる時があるけど、その時は静かにジャングルジムをゆずることにしてる。
いくらお気に入りでも低学年の子を蹴落としてまで使う気にはなれない。
誰もいない時に空を見つめながらのんびりするのが好き。
今日は誰もこなさそうだ...
そう思いながら意識は涼しい気候に持っていかれた
語り部シルヴァ
声が聞こえる
スカッ、スカッ、バシュッ、スカッ。
矢は1本しか当たらなかった。
集中できてないのか、型が悪いのか...
悶々と考えてると隣が4本目を放つ。
バンッ!!
しっかり張った的に綺麗に矢が刺さる音がした。
皆中...四本全て当たりだ。
矢を取りに行く時に話しかける。
「さすが、前の試合で1位取っただけあるね。」
「前にやった小さな大会のことでしょ?
嬉しいけどまだまだだよ。」
「大会の規模は関係ないよ。1位とったっていう実績が
すごいんだから...あーいいなー。
どうすれば君みたいに皆中できるんだ?」
「んー...声を聞く...かな?」
「はえ?」
「僕もよくわかってないけど、姿勢や矢、弓の声が
聞こえるんだよ。"まだ離すな"とか"体をもっと張るように"
とか。」
とにかく声を聞くようにしてみて!
と言われて僕は礼をしてもう一度射位に立つ。
弓を持ち上げ、ゆっくりと降ろしながら引く。
声を聞くんだ...声を聞くんだ...
"おい、力みすぎだ。肩の力を落とせ。"
不意に聞こえた声の言う通りにし
て肩の力を落とすように意識して放つ。
いつもよりも真ん中に近い場所に当たる。
今のが...声...?
矢と弓のおかげだろうか、
これらと一緒にもっと目指せれると思うとワクワクしてきた。
いつぶりだろう。弓道にこんな熱心になれたのは...
語り部シルヴァ
秋恋
"もー!今はそんな気分じゃないの!'
ごめんと返したが連絡が途絶えた。
いつも通りゲームのお誘いをしたはずだが...
今日はなんだか機嫌が悪そうだ。
30分後...
仕方ないと1人でゲームの準備をしていると連絡が来た。
"ごめん...イライラして当たった。
ほんとごめんね。"
すぐに既読をつけて返信する。
"大丈夫。今日はゲームせずに電話だけでもする?
良かったらそのイライラ聞かせて欲しいかな。"
既読はすぐについてわかったと返ってきた。
女心と秋の空...なんて言うがその通りだ。
だがそれを迷惑とは思わない。
彼女だって人間だ。そういう時だってある。
だからこそ彼氏である僕が支えるんだ。
そう思いながら電話をかけると電話が繋がった。
「もしもs」
「私がいいって言うまで待って!」
そう言って電話を切られた。
まあ...そういう時だってあるよ。
人間...だからね...。
語り部シルヴァ