一尾(いっぽ)in 仮住まい

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10/8/2025, 12:34:01 PM

→純粋な無償の愛

推して推して推しまくる!
あっ、無償じゃねえな。
かなり課金。


テーマ; 愛する、それ故に

10/7/2025, 2:45:48 PM

→「た〜まね〜ぎさん♪」

玉ねぎを切るとき、私はいつも思い出す。
「た〜まね〜ぎさん♪」
その声は、呼びかけるような、歌うような調子なのだが、あまり抑揚がなく淋しげだ。
子供時代の友人から聞いた話だ。彼女の母親が玉ねぎを切るときに必ずこのように口ずさむのだと。
「なんか寂しそうやね」
「せやろ? しかもキッチン、ちょっと暗いねん」
そんな会話を交わしたものだから、私の脳内に「玉ねぎを切る=暗い作業」というイメージが固定化してしまった。
そしてその強烈なイメージは、あれから随分経った今でも消えることなく、なんなら自分で口ずさむほどに、残っている。
「た〜まね〜ぎさん♪」
真っ二つに切った玉ねぎの真ん中、静寂が隠れている。

テーマ; 静寂の中心で

10/6/2025, 1:34:31 PM

→悔しい夜


アイツがまた入賞した。
俺は選外。
ケツに火が付いたような息苦しさ。
才能ないのかな?
才能ないと、ダメなのかな?
自分や世間に煽られて、心が右往左往。
まるで焚き火で燃えてる葉っぱみたいに。


テーマ; 燃える葉

10/5/2025, 5:48:20 PM

→短編・moonlight

 塾から帰ってきた僕は、家の前で一人の知らない女の人に声をかけられた。
「あっ、ヒロくん! 会えてよかったぁ」
「えっ? あっ? 月子さん?」 
 声を聞くまで誰だか分からず、僕は素っ頓狂な声を上げてしまった。
 月子さんは、僕の向かいの家に住んでいる6歳年上の人だ。俗に言う「近所のお姉さん」で、昔はよく面倒をみてもらった。絵が上手な人で、昔は色んなアニメのキャラクターを描いてもらったりしたものだ。しかし年齢が上がるにつれて、遊んでもらう回数は自然と減った。
 僕が高3、月子さんは社会人。今では挨拶を交わす程度の間柄で、彼女の名前の通り、遠い存在となっていた。
「何? そのびっくり顔!」
「だって、その格好……」
 いつもはキレイなお姉さんって感じの格好で、髪もおろしたままだ。それが、今日は長い髪を一つにまとめて、ジャージ姿。いつもと違いすぎる……。
 月子さんは大げさに笑った。なんかテンション高いな。こんな感じの人だったっけ? 
「やっぱり変かな? 高校の時のジャージ。若作りがイタイ?」
「そういうんじゃないけど……」
 流石に「テンション変ですね」とは言えない。
「僕になんか用事っすか?」
 かなり強引に会話を繋いだので、目線が泳いてしまった。月子さんはフッと笑ったが、僕の変な態度を見逃してくれたようだ。大人の余裕ってヤツ?
「うん、引っ越すから、そのお別れが言いたくてね」
「えっ?」
「結婚するの」
「……」
 え? 今、なんて?
「まぁ、結婚したからって、実家はココなんだし帰ってくることもあるけど、そうそう頻繁には、ね」
 そうして「実は、お腹に赤ちゃんがいるの」と付け加えた。
「じゃあ、イラストレーターになる夢は?」
 思わず口走った僕に、月子さんは目を見開いた。
「覚えててくれたんだ」
 昔から絵の上手かった月子さんは、高校も大学も美術系のところに通っていた。
 彼女がいつも夜遅くまで自室で絵を描いているという情報元は、僕の母親からだ。月子さんと僕の母親は仲が良い。
「ちょっと優先順位が下がる、かな?」
 月子さんは、静かに笑い、「でも、諦めてないよ」と付け加えた。
 今日は何度も彼女の笑顔を見た。どれも違う表情。そして今は、目の奥に強い覚悟。
「ヒロくんに絵を描いてあげたみたいに、この子にも絵を描いてあげるの」
 月子さんの明るい声は、とても優しかった。

 夜半、僕は自分の部屋の窓から向かいの家を見ている。ちょうど前に月子さんの部屋。
 あれから月子さんは、迎えに来た恋人?夫さん??の車で、去っていった。
 昨日までなら、この時間でも黄色いカーテン越しに灯り漏れていた。
 でも、今日は暗い。いや、今日だけでなく明日も明後日も、暗いんだろう。
 その黄色い灯りをmoonlightと、僕は名付けていた。嫌なことがあった日や、くじけそうになった日、僕はその灯りを頼った。勝手に月子さんの頑張りに力をもらっていたのだ。
 もちろんこんなことは誰にも言ったことはないし、これから先も言うことはないだろう。
 そして僕のmoonlightは、今ではほかの場所を照らしている。素敵なことのはずなのに、僕の心はほんのり辛い。

テーマ; moonlight

10/4/2025, 3:30:08 PM

→履歴書には書けないけれど……

特技は、「自分に甘い」です。

「今日だけ、今日だけ」と、自分に言い訳をかまして、寝る前のショート動画漁りがやめられない。
そしてまた今日も……――。


テーマ; 今日だけ許して

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