→短編・名作探訪 第7回
〜『歳月製紙』の『新雪』〜
新年を迎え、書き初めに筆を起こす。
今年の抱負や新しい年への寿言、若しくは縁起の良い言葉、これと決めた言葉を半紙を前にイメージする。
さて、墨を吸わせた筆を躍らせるのに、『歳月製紙』の半紙『新雪』はいかがだろうか?
新雪をもたらす雲から繊維を抜き出し、紙漉きには午前0時の湧き水のみを使用した半紙は、柔らかな手触りと筆を少し沈ませる書味が特徴である。
未踏破のまっさらな雪原の第一歩を想起させる『新雪』は、書き初めに程よい緊張感と清々しさを提供してくれるだろう。
テーマ; 新年
→良いお年を
これ以下もこれ以上もない、1年総括名台詞。
来年もよろしくお願い申し上げます。
テーマ;良いお年を
→紐で玩具を結束して引っ張る電車ごっこのような、後ろに連結する日々を振り返るのか?
今年の連結車両は、366両でしたね。
『閏』って漢字、何となく好きです。『うるう』って読みもこの漢字にピッタリ。上から読んでも〜、的な。
⇢1年ではなく、この半年について。
6月からこのアプリを始めて、とてもたくさんの良い出会いがありました。知らない皆さまが描く文章さんたち。
発見を、気づきを、勇気を、嫉妬を、羨望を、温かさを、共感を、たくさんの感情をありがとうございます。
来年もまた、毎日のようにお会いできる日を楽しみにしております。
良いお年を!
テーマ; 1年間を振り返る
→自己主張
小さい頃から、とにかく柑橘系が大嫌い。あの鼻に抜ける青臭い香りが漂ってくると逃げていた。
今でも同じ。
一応、大人の階段を昇る段階で、何度か挑戦を試みてみたが、全くムリ。少しでも料理に使われていたら、もうその料理には手がつけられなくなる。
「あんたの柑橘嫌いは折り紙付きや」とは、母の言葉。
まだ私が彼女の腹の中にいる時のことだ。なぜか彼女はみかんに全く食指が伸びず、食べたくもないのに苦手なマグロの刺身ばかりを食べたらしい。出産後は刺身には見向きもしなくなった。
ちなみに、柑橘嫌いの私の好物は鉄火巻である。自己主張が激しい? いやいや、自分に正直なだけッスよ。
テーマ; みかん
→あ~、またやっちゃったよ……
「冬」と入力しようとすると、高確率で「ゆふ」とやってしまう。
「ゆふ休み」? なんじゃそりゃ?? うーん、そうだなぁ……――
⇢小話・ゆふ休み
年越し前の仕事納めの日、石切場に村の若い衆が集まった。
「今年もこれで終わりやねぇ」
「エエ石、よぉさん採れたなぁ」
「ゆふ筵で暖かくして、ゆっくり休んでもらおな」
そんなおしゃべりと共に、石を紫色の筵で覆ってゆく。
ゆふはこの村の固有植物だ。蓄熱性が高く、筵にして布団の上掛けに用いれば冬でも寒さ知らずとなる。
いつの頃からか年末の仕事納めになると、村の特産品である石材にこの筵をかけるようになった。村ではこれをゆふ休みと呼んでいた。
「あっ、雪降ってきた」
「筵の下であんじょうしときな」
覆った石をポンポンと叩く、その手の動きは優しい。
筵で石を覆ったあとは、石神様に供え物を捧げる。全員で一斉に手を合わせ、村人たちは去って行った。
よぅわからんオチのない話やが、ここらで終わりにしとうございます。
冬休みなんで、積読消化活動に励みます。
テーマ; 冬休み