→答えのない問い
声が枯れるまで泣いて
本当に僕の声が枯れたら
ちょっとばっかり、
あなたの笑顔を曇らせることはできますか?
急に別れたいと言われた僕は
そんなことを思わずにいられないのです。
これは未練でしょうか?
それとも怨嗟でしょうか?
テーマ; 声が枯れるまで
→毎晩のことなんてすけどね、
始まりはいつも
『→
テーマ; 〜〜〜 』
―と書くところから。
そんで始まる七転八倒からの七転び八起き。
出来が良ければ舞い上がり、
たとえ悪くとも喉元過ぎれば何とやら。
青いハートに感無量。
終わり良ければ全て善し。
テーマ; 始まりはいつも
→短編・天気予報
商店街で夏とすれ違い、思わず声をかけた。
「もう10月だけど、今年の南半球行きはどうしたの?」
「たまには秋の味覚を味わいたくて」と、夏は新米を片手に、魚屋で秋刀魚を買っていた。
平日狙いでホテルのスイーツビュッフェにも行くらしいので、まだもう少しこちらに滞在予定だそうです。
テーマ; すれ違い
→短編・秋バレ
「秋晴れってキライなんだよね」
「どうして?」
「少し寒いでしょ?」
「まぁ、夏とは違うね」
「心にまで通った風が、自分の中身をぜぇんぶばら撒いてしまうような気がする」
「身バレっぽい。晴れるんじゃなくて、バレちゃうんだ」
私のつまらない戯言に、彼はいつでも耳を傾けてくれる。
幼馴染だからかな? でも、それ以上にもなりたいな、なんて。でも、今の関係のほうがトクベツっぽいし……。私は幾つもの「でも」を繰り返す。
そして、最終地点。やっぱり彼が好き。もう少しこのままでいたい。
「今、どうして空を見たの?」
「何でもないよ〜」
高く晴れ渡る秋の空、この気持ちは内緒だよ。
テーマ; 秋晴れ
→短編・トラウマ
トラウマがトラウマだ。
ある日、高校の連れ数人とフードコートでダラダラしていた時のことだ。
「なぁなぁ、アレ、なんていうんだっけ? えーっと、忘れたくても忘れられない〜ってなって、辛くなったりするヤツ。動物系の」
動物系でその手の言葉ったら一つしかねぇ。俺は鼻高々に言った。
「それ、ウマシカ」
「「「「へ?」」」」
全員が同じ反応で固まり、信じられんとばかりに俺を見ている。
え? あれ?
「ごめん、それが違うってことは知ってる」
質問を振ったヤツが、申し訳無さそうにスマートフォンを差し出してきた。そこには検索結果「馬鹿=バカ」。
え? マジで?
「惜しいな。鹿じゃなくて虎だわ。トラウマ」
「え?」
……知ったかぶりなんかするもんじゃない。
テーマ; 忘れたくても忘れられない