→短編・秋バレ
「秋晴れってキライなんだよね」
「どうして?」
「少し寒いでしょ?」
「まぁ、夏とは違うね」
「心にまで通った風が、自分の中身をぜぇんぶばら撒いてしまうような気がする」
「身バレっぽい。晴れるんじゃなくて、バレちゃうんだ」
私のつまらない戯言に、彼はいつでも耳を傾けてくれる。
幼馴染だからかな? でも、それ以上にもなりたいな、なんて。でも、今の関係のほうがトクベツっぽいし……。私は幾つもの「でも」を繰り返す。
そして、最終地点。やっぱり彼が好き。もう少しこのままでいたい。
「今、どうして空を見たの?」
「何でもないよ〜」
高く晴れ渡る秋の空、この気持ちは内緒だよ。
テーマ; 秋晴れ
10/18/2024, 8:41:09 PM