→短編・小さいけれど大きな幸せ
(タイトル変更 '24.10.7)
―ップシュッ!
「あ~、美味いなぁ」
冷えた缶ビールを一気にあおった僕の声は浮かれている。
そりゃそうだ。
今日一日を振り返ると、ご機嫌にならずにいられない。
奇跡的な一日だった。
通勤では往復とも座ることができた。就業時間内にクライアントやら何やらに時間を取られず、自分の仕事をサクサクこなせた。ペットボトルのキャンペーンで、QRコードを読み込んだら結構な額のポイントが当たった。帰り際にスーパーに寄れば、午前中には売り切れるというコロッケのアツアツが買えた。何なら、最近爆売れで手に入らないと噂のビールまでゲットできた!
「上出来な一日だったなぁ」
ビールで喉を潤して、コロッケに箸を入れる。サクッと衣の音が心地良い。早速一口。ほんわかしっとりじゃがいもの食感と、少し甘めの味付け。
「幸せだなぁ」
しみじみ想う。本当に僕には過ぎた一日だったなぁ、と。
テーマ; 過ぎた日を想う
→短編・その集まり
その集まりの名は明かせない。
目的も会話内容も口外することはできない。
私の明かすことができる唯一の情報は、その集会はロウソクを囲んで星座をなす、ということだ。
え? 星座を知らない? そんなはずはないだろう。
ちょっと待ってくれ。こんなところで話を止めるなよ。まさか君は車座を知らないとは言わないだろう?
そう、車座とは荷車の車輪のように円になって座ること! そう、正解! やっぱり知ってるじゃないか。
つまり、星座っていうのは……――
テーマ; 星座
→まずは一礼
軽妙な描写のBGM
肉薄する表現でポーズを決めて
文字と文字のあいだ、くるりと回って
行間と段落の隙間、ステップを踏んで
華やかに第一章
優雅に第二章
さぁ、生意気なダンスを踊りませんか?
(於 図書館)
テーマ; 踊りませんか?
→お便り・すべての師匠的皆さまへ
巡り会えたらサインください。
文章の技巧と、創作のコツを教えてください。
※「お気に入り」は「玉手箱」だと思います。「みんなの作品」は癒やしと驚きに満ちていて……、ホント、善きappですよ。
テーマ; 巡り会えたら
→短編・自信の源
「つまんねぇコト言ってんじゃねぇよ。このスタンディングオベーションは、お前が自分で掴み取ったんだ。
――胸張ってろ」
鳴り止まないアンコールをステージ裏で受けながら、彼はワタシにそう言った……――遠い遠い昔の話。今はもう、ワタシを常に叱咤激励してくれた彼を始め、昔の仲間の多くは、この世を去ってしまった。
ワタシだけがあれからずっと走り続けている。彼の言葉を心に刻んで、決して振り返らず、ひたすら真っ直ぐに胸を張って。彼に弱音を吐いたあの日の若い女の子は、もうどこにもいない。
え? どんな弱音だったかって? そうね、ヒントは神頼みみたいな言葉、かな。
テーマ; 奇跡をもう一度