眠り子

Open App
1/8/2024, 2:27:44 PM

色とりどり

この世界にやってきて、彼女と出会ってからは
人生は鮮やかに色づいていった
私の目に映る全てが美しくみえた 

白さと桃色が合わさった桜 
爽やかな芝生の緑
紫の藤の花のカーテン 
どこまでも青い海
柔らかな黄色い光が包み込む夜
夕闇に染まる朱い空
白銀の雪

ありふれた季節も、色とりどりで美しいのは
彼女が隣で花の名前を笑顔で教えてくれたり、暑さや寒さを共有できたりと一緒に幸せを感じられるからなのかもしれない。

魔法の修行に負けないくらいの宝物を、私は見つけていた

1/6/2024, 3:15:19 PM

君と一緒に

君は人間、僕は吸血鬼
生きる長さが違うのはわかっている
所詮は捕食対象でしかなくとも
それでも、君の前向きさと優しさに
知らないうちに愛しく思う自分がいた
君と共に生きていきたい
他の誰かに渡したくない
たとえそれが、許されない運命だとしても
想いは変わらない

12/30/2023, 8:57:10 AM

みかん

太陽の輝きを閉じ込めた甘いみかん。
口いっぱいに爽やかに広がっていく。
太陽を最後に直接浴びたのはいつだったろうか?
人々がガラスケースに包まれても、自然の贈り物だけは変わらずに存在し続けている。

12/27/2023, 2:31:21 PM

手ぶくろ


20xx年。人類は1人1人ガラスケースの中で生きる法律ができた。
あらゆる対人での事故や事件を防ぐために生み出された法律と噂されていた。
法律ができた当時、私は20代後半だったが私より上の年代は反対していた人が多かったことを覚えている。
だが反対も虚しく、全人類ガラスケースに閉じ込められた。

人間恐ろしいもので、そんな生活を何十年も過ごしていれば人の温もりや心通った関わりをほとんど忘れてしまうのだ。
そんな中で私に人の温もりを微かに思い出させてくれるのはかつて家族に編んでもらった手ぶくろだ。
お店に売られていない私だけに作られた手ぶくろ。
スイートピーが刺繍されたこれだけが、記憶の中の温もりを思い出させてくれる。



12/15/2023, 1:17:59 PM

イルミネーション

冬の夜は不思議だ。
キラキラ輝くイルミネーションがあるから、いつもの街が何倍も特別に見える。
1人で見ても、大好きな誰かと見ても魔法にかけられたみたいにわくわくするのだ。

Next