眠り子

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1/6/2024, 3:15:19 PM

君と一緒に

君は人間、僕は吸血鬼
生きる長さが違うのはわかっている
所詮は捕食対象でしかなくとも
それでも、君の前向きさと優しさに
知らないうちに愛しく思う自分がいた
君と共に生きていきたい
他の誰かに渡したくない
たとえそれが、許されない運命だとしても
想いは変わらない

12/30/2023, 8:57:10 AM

みかん

太陽の輝きを閉じ込めた甘いみかん。
口いっぱいに爽やかに広がっていく。
太陽を最後に直接浴びたのはいつだったろうか?
人々がガラスケースに包まれても、自然の贈り物だけは変わらずに存在し続けている。

12/27/2023, 2:31:21 PM

手ぶくろ


20xx年。人類は1人1人ガラスケースの中で生きる法律ができた。
あらゆる対人での事故や事件を防ぐために生み出された法律と噂されていた。
法律ができた当時、私は20代後半だったが私より上の年代は反対していた人が多かったことを覚えている。
だが反対も虚しく、全人類ガラスケースに閉じ込められた。

人間恐ろしいもので、そんな生活を何十年も過ごしていれば人の温もりや心通った関わりをほとんど忘れてしまうのだ。
そんな中で私に人の温もりを微かに思い出させてくれるのはかつて家族に編んでもらった手ぶくろだ。
お店に売られていない私だけに作られた手ぶくろ。
スイートピーが刺繍されたこれだけが、記憶の中の温もりを思い出させてくれる。



12/15/2023, 1:17:59 PM

イルミネーション

冬の夜は不思議だ。
キラキラ輝くイルミネーションがあるから、いつもの街が何倍も特別に見える。
1人で見ても、大好きな誰かと見ても魔法にかけられたみたいにわくわくするのだ。

12/6/2023, 2:24:34 PM

逆さま

よく晴れた日は海や湖に、街が逆さまに映る。
鏡の向こうには似て非なる世界が広がっていると考えるとどうしようもなくときめくのだ。
見知らぬ誰かに想いを馳せて。

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