束の間の休息
予定のない土曜日。いつもより遅く起きて
布団の柔らかさを堪能する。
朝食をしっかり用意してゆったりと食べる。
仕事頑張らなきゃいけない平日に比べて静かな時間が流れていく。この感覚に身も心も休まる。
力を込めて
むすび堂、それは縁にまつわる願いや悩みを抱えた者の前に現れる不思議なおむすび専門店。特に塩おむすびが人気である。
店主は、今日もお客様が幸せな縁に結ばれるように勇気が出る力をご飯に込めておむすびを作っている。
白く艶やかなご飯に、企業秘密の国産の塩を振り、パリッとした香ばしい焼き海苔を巻いていく。おむすびの完成だ。
このおむすびは、お客様からは縁おむすびと親しみを込めて呼ばれてる。
過ぎた日を想う
地元の道を歩くと、この道には用水路があったのに
今では立派な住宅街に変わったなぁと考えたり、公園の遊具はこんなに小さかったっけと物思いに耽る。
また、子どもの時に見た映画を最近再び見たのだ。
当時見た時とは違う点で感動したり、主人公たちの
気持ち以外にも対立するキャラクターの目線なって
見ることができるようになったりした。
子どもの頃に経験したことは、もう過ぎた時間であり
細かいところまでは思い出せない。本当にあったのかなと考えてしまう日もある。
でも、変わりゆく街並みや自分の中に加わった価値観に
触れた時、私は確かに自分の人生を歩いてこれたんだとわかった。
あと5年、10年して今を懐かしく想う日がくるのかもしれない。その日が来るのを楽しみにしていよう。
踊りませんか?
月明かりの夜、舞踏会から外れた外で涼んでいた。
不意に後ろから
「こんばんは、お嬢様」
1人の青年に声をかけられた。話をすれば彼も1人で涼みにきたそう。
「よかったら、2人で踊りませんか?」
「いいですね。夜空がステージだなんてロマンチックだ」
言葉はもういらない。星や月が照らす下で踊り明かした。
彼とは再会することになるけれど、それはまた別の機会にお話しましょう。
巡り会えたら
もし彼女にまた巡り会えたら、愛してると伝えたい。
でも、それは奇跡が起きない限り不可能だろう。
僕と彼女は、生きる世界が違うから。
彼女に向けて、届かない想いを今日も叫び続ける。